「若い力」 練習に活気 5月3、4日に世田米式年大祭 住田(別写真あり)

▲ 住民らに指導する熊谷さん㊥

 住田町世田米に鎮座する天照御祖神社(瀧本正德宮司)の式年大祭は、大型連休中の5月3(金)、4(土)の両日、世田米商店街を中心に挙行される。御輿渡御や山車の運行、郷土芸能、道中踊りなどが繰り広げられる予定で、各祭組では世代を超えた地域住民が集まり、熱のこもった練習や準備を重ねている。高齢化や担い手不足が課題となる一方、地元出身の若者が練習を引っ張る祭組もあり、開催前から地域全体に活気が生まれている。

 

大学生が指導の祭組も

 

 式年大祭は総代や世話役、各公民館、祭組などで構成する祭典委員会(泉田是重委員長)が主催。明治8年に始まり、旧暦の時代は3月16日、新暦になってからは4月16日となった。3年に1度の挙行で、近年は5月の大型連休に合わせている。
 毎回、商店街は歩行者天国となり、1000人を超える行列が生み出す祭り絵巻をひと目見ようと、町内外から多くの見物客が来訪する。古き良きたたずまいが残る中、にぎわいに包まれる。
 祭組のうち、愛宕地域の住民を中心とした「上組」は、手踊りを披露する。今月は平日夜に農林会館などで練習が行われ、かさや扇子などを使った舞の練習に余念がない。連日、子どもから大人まで幅広い世代の女性住民40人余りが集まり、伝統を守りながら地域の活気を発信しようと熱心に取り組んでいる。
 舞踊の家元から代理役を託され、連日指導にあたっているのは、地元出身の大学生・熊谷天翔さん(20)。小学生から本格的に舞踊を習い、明扇流華の会によるステージなどで披露を重ねてきた。過去3回の大祭では踊り手としての参加だったが、今回は指導役を担っている。
 曲に合わせた先導に加え、仕事や学校行事などの都合で練習参加が遅れた住民には、マンツーマンで教える。「みんな最初は何も分からないところから覚えるので、かみくだいて教えることが大事」と熊谷さん。膝を曲げる角度など、きれいに見せるコツも丁寧に伝えているほか、時折ジョークも交えながら、なごやかな雰囲気づくりにも気を配る。
 大祭成功へ重要な役割を初めて担っているが「ほどよいプレッシャー」と気負いはない。「踊りを通して優しさや強さなど、地域の良さを表現できれば。見てくれる人に喜んでもらい、きれいな踊りだと思ってもらえるように頑張りたい」と話す。
 大祭期間の3日は午前9時〜午後4時、4日は午前9時〜午後5時にそれぞれ、火石(保育園付近)から小口洞の間を車両通行止めとする。初日は各地区ごとの手踊りなどが行われ、祭りの開幕を告げる。
 4日は午前9時に神社で例祭が執り行われ、同11時30分ごろに全祭組が保育園前付近に集合。正午に行列が出発し、商店街内を神輿や稚児行列、各祭組の手踊り、伝統芸能、山車などが練り歩く。