小児科オンラインの昨年度登録は64組 子どもの悩み相談に対応 未来かなえ機構

▲ スマートフォンなどで利用できる「小児科オンライン」

 気仙の医療機関などでつくる一般社団法人・未来かなえ機構(代表理事・滝田有気仙医師会長)は昨年度、子どもの健康に関する悩みをスマートフォンなどから無料で小児科医に相談できるサービス「小児科オンライン」を本格稼働した。このサービスを利用するため、同年度は気仙3市町の親子を中心に64組が登録。同機構では今後も、子育て世代の充実につながるサービス展開に力を入れる。
 このサービスは、㈱Kids Public(キッズパブリック、橋本直也代表、東京都)が運営。子どもの生活や健康面の悩みを、小児科医に電話や通信アプリ「LINE」で相談できる。
 医療機関の通常診察時間が過ぎた平日午後6〜10時に対応。LINEでは皮膚の状況などを撮影した写真をもとにやりとりできるほか、子育ての悩みにも応じてきた。
 同機構が進める地域医療・介護連携の情報通信技術システム「未来かなえネット」に登録している親子であれば、0歳から未就学児の子どもに関する悩み相談を無料で利用できる。同機構では一昨年6〜9月にキッズパブリックとの連携で試行的に実施し、昨年度、希望者から利用登録を受け付けた。
 登録したのは、気仙3市町を中心とした親子64組。年度前半の伸びは緩やかだったが、昨年10月に大船渡市の産業まつりなどでアピールして以降、30組以上の申し込みがあった。
 この事業では、子育て世代の親たちの不安解消だけでなく、県立大船渡病院救命救急センターの正しい利用につながる知識普及や未来かなえネットの登録増など、幅広い観点から期待を集める。
 利用者にとっては、翌日に受診するかどうかの参考として相談できる点や、夕方から夜間の時間帯を有効に使えるといった利点がある。現在、本年度のサービス継続を見据えた協議を重ねている。
 未来かなえネットでは、登録者がいつ、どこで診療・福祉サービスを受けたか、どのような薬を処方したかなどを一元的に集約・管理。参加する医療機関などが相互で確認できる。今年3月末での登録者は1万947人で、県がまとめた気仙3市町の同月の推計人口5万9955人に占める割合は18・2%となっている。
 医療機関から離れた地域に暮らす高齢者だけでなく、子どもがいる世帯での登録が広がりつつある。同機構では、今後も幅広い世代の住民サービスにつながる取り組みを検討するとしている。