実り多い秋へ期待込め 「市民ふれあい農園」開園式 大船渡(別写真あり)

▲ 入園者がそれぞれ作業に汗を流した

 大船渡市農業協同組合(菊池司組合長、JAおおふなと)は19日、猪川町善蔵敷地内で「市民ふれあい農園」の開園式を行った。同農園は市民が自由に野菜を育てることのできる場所で、平成6年の開設以来、多くの人に親しまれている。開園式では本年度の入園者と農協関係者らが顔を合わせ、利用者同士の活発な交流と豊作を願った。

 

入園者が豊作願う

 

 市民ふれあい農園は、市農協が同町の田村清輝さんから借りている約3500平方㍍の土地。平成6年、当時の地主だった田村さんの父、故・勇一さんの協力を得て、農協や農業に対する理解を市民に深めてもらうことを目的に開設した。
 農園では、同農協営農指導員らによる栽培指導を受けながら、入園者らがそれぞれ好きな野菜を育てていく。年度ごとに市農協で入園者を募集しており、昨年度は15人が27区画(1区画当たり50平方㍍)を利用。本年度は、19日現在で16人が25区画を使用している。
 開園式は、地域との結びつき強化などを図ろうと昨年初めて企画。今年は入園者と農協関係者ら合わせて約20人が出席した。
 式では同農協の柏﨑明彦常務理事が「収穫にいたるまで、明るく楽しく、交流が活発に行われ、実り多い秋になれば」とあいさつ。
 続いて入園者を代表し、猪川町の平安雄さん(87)が「20年ほどこの農園を利用しており、農業が生活の一部になっている。農業は健康には最高なので、皆さんも、これからも続けてほしい」と述べた。
 市農協が販売しているリンゴジュースで乾杯したあと、入園者らはそれぞれの区画に移動。苗の手入れなど、それぞれが作業に汗を流した。
 金野よし子さん(71)=猪川町=は、20年近く同農園を利用。秋はダイコンやハクサイ、春にはトマトやナス、ピーマンなど、季節ごとに野菜づくりを楽しんでいる。
 丹精込めて育てた野菜は、知人にお裾分けもしているといい、現在は2区画を利用。「いろいろと苦労もあるが、喜んでもらえるのがうれしいし、野菜が育っていくのを見ているのも楽しい」と話していた。
 今後、入園者らは各区画で自由に野菜を栽培していき、市農協では農園の草刈りを行っていくほか、要望があれば病害虫防除にも協力する。
 市農協では、5月末まで同農園14区画分の利用者を募集している。対象は大船渡市内在住者で、利用料は1区画につき年間3600円(税別)。申し込み、問い合わせは陸前高田市総合営農指導センター(℡22・7520)まで。