「ねがい桜」ギネス申請へ 震災犠牲者数と同数完成 陸前高田商工会女性部
平成31年4月25日付 7面
亡き人悼む布製の花
陸前高田市の陸前高田商工会女性部(金野ヨシ子部長)が東日本大震災の津波犠牲者を追悼しようとプロジェクト化し、市内外の女性が和生地を使って制作してきたつるし飾りの「ねがい桜」の数が、目標としてきた被災地の死者・行方不明者数と同じ1万8430個に達した。同部はまちおこしにもつなげようと、「つるし飾り数」でのギネス世界記録登録を目指しており、24日、申請用の記録をまとめる作業が行われた。
ギネス申請に向け、記録をまとめる作業は、ねがい桜奉納先の米崎町の普門寺で行われ、会員や、同プロジェクトを継続してサポートしている京都府京都市のNPO法人・きものを着る習慣をつくる協議会(中塚一雄理事長)のメンバーら合わせて10人ほどが参加した。
盛岡市を拠点に県内外で手芸教室を開く吉田真理子さん(72)が、つるし飾りとして認められるか一つ一つチェックし、外部の公認会計士がつるし飾りの数を慎重に数えた。
ねがい桜は、50〜100個ごとに赤いひもでくくり付けている。本堂の一角にまとめてつるし、高さ3・7㍍、直径2・1㍍の大きなつるし雛を完成させた。
同部は津波で会員40人を亡くし、多くの会員の自宅が被災するなど甚大な被害を受けた。震災から4カ月後の平成23年7月、同寺で犠牲会員を悼む法要を行い、活動を再開した。
津波で失職した市内外の女性に新たな仕事を提供する活動にも力を入れ、ねがい桜もその一つ。同法人の呼びかけで全国から寄せられた不要な着物や襦袢(じゅばん)を使い、陸前高田、大船渡、気仙沼各市の女性十数人が制作を担った。
2個1組で販売し、うち一つは購入者に犠牲者追悼などのメッセージを添えて送り返してもらうという仕組み。集まったねがい桜は毎年、同寺に奉納してきた。
同部によると、5月上旬にもギネス世界記録の審査結果が通知されるという。登録された場合、同19日(日)、同寺で1万8430個の奉納式を行うこととしている。
金野部長は「『何が何でも』という思いで取り組んできたが、多くの方々に協力してもらい、ようやく目標数に到達した」と喜びもひとしおの様子。「一つ一つに犠牲者への思いが込められており、ギネスに登録されればこの存在を世界中に発信できる。陸前高田に多くの人が来て、ねがい桜を見てもらい、復興にも寄与したい」と願いを込めた。






