地元定着で来訪者増加 昨年度は3万人利用 まち家世田米駅 住田

▲ 30年度は交流スペースをはじめ地域住民の利用が増加

 住田町世田米の住民交流拠点施設・まち家世田米駅を運営する一般社団法人・SUMICA(村上健也代表)は、平成30年度の同施設における利用実績をまとめた。開設3年目は町内外から合わせて約3万人の利用があり、1年目と2年目をいずれも上回った。とくに誰でも自由に過ごせる「スミカフェ」や、地域住民の利用が大半を占める交流スペースなどの利用が伸びており、地元定着が数字にも表れている。

 

使いやすさが浸透

 

 まち家世田米駅は、28年4月29日にプレオープンとして一部を開業。指定管理者制度により、SUMICAが管理・運営を担っている。
 内部は、古き良きたたずまいを生かした旧菅野家の構造や部材をできる限り当時のまま残し、レストランやコミュニティカフェ、交流スペース、まちや体験スペース、蔵ギャラリーなどを整備。地域住民の生涯学習活動などを担う世田米地区公民館機能も入る。 
 SUMICAによると、30年度の利用者は2万9598人。初年度よりも9724人、前年度比では1311人それぞれ増加した。
 利用者の内訳をみると、地元食材を生かしたメニューを提供しているレストラン・kerasse(ケラッセ)は1万4003人、商店街側の自由にくつろげるスミカフェは7685人、交流スペースは4471人、屋外の広場は1703人、各種体験参加は144人、蔵は1218人などとなっている。
 休店日が増えたケラッセの来訪者は、前年よりも2796人減少。一方で、町内在住者の利用頻度が高いスミカフェは754人、交流スペースは1331人、蔵は298人それぞれ増加した。
 小学生から高齢者まで幅広い住民が訪れ、安定したにぎわいを見せる。休日になると多くの小中学生が集まり活気が生まれ、夜は少人数による打ち合わせなどの利用もある。
 SUMICAの役員を務め、開設時から同施設の運営を担ってきた植田敦代さん(33)は「スミカフェは予約しなくても、席が空いていれば自由に使えることが浸透してきたのでは。住民のちょっとした会議などで使われている。交流スペースも、地域活動での利用が増えてきた」と語る。
 今後もSUMICAでは、住民の幅広い利用を受け入れるとともに、地元内外の人々が楽しめるイベントなどを企画しながら、交流拠点としての施設活用を図る方針。施設内では今年、簡易宿泊対応の改修が終了したことから、新たな利用展開にも期待が集まる。