土地区画整理事業の竣工祝う 大船渡駅周辺地区 最後の「まちびらき」盛大に 大船渡市(別写真、動画あり)

▲ テープカットとバルーンリリースで夢海公園のオープンを告げた「第4期まちびらき」

 大船渡市大船渡町の大船渡駅周辺地区「第4期まちびらき」は27日、防災観光交流センター(おおふなぽーと)第2駐車場などで催された。同地区内で進めてきた土地区画整理事業の竣工と、須崎川沿いに新たに整備した「夢海(ゆめみ)公園」の完成を記念したもので、区画整理事業で行うまちびらきはこれが最後。出席者らは中心市街地の着実な復興を喜び合い、にぎわいやまちのさらなる充実に願いを込めた。

 

夢海公園も供用を開始

 

 かつては多くの店舗や商業施設、住宅が建ち並び、〝大船渡の顔〟としてにぎわいを生み出していた大船渡駅周辺地区。しかし、8年余り前の東日本大震災による津波で甚大な被害を受け、変わり果てた姿となった。
 市は、平成24年に独立行政法人都市再生機構(UR)と事業協定を締結し、25年から同駅周辺地区で土地区画整理事業による復興まちづくりを展開。土地のかさ上げ、宅地の造成、道路や水路など公共施設の基盤整備工事を進め、28年からは事業の進ちょくに合わせながら「まちびらき」を実施してきた。
 基盤整備工事の最終年度となった30年度には、須崎川河口付近の左岸側に夢海公園を整備。基盤整備は順調に進み、同年度末をもってすべて完了となった。
 区画整理事業の竣工と夢海公園のオープンを告げる第4期まちびらきは、市、UR、東急・東洋・植木・日本測地・CPC大船渡市大船渡駅周辺地区震災復興事業共同企業体が主催。竣工式には、来賓や関係者ら約100人が出席した。
 オープニングアトラクションでは、大船渡保育園の年長児らが元気な「ししおどり」を披露。赤澤芸能保存会の小学生たちは、震災犠牲者らへの鎮魂も込めて「赤澤鎧剣舞」を勇壮に舞った。
 式典では、戸田公明市長が区画整理事業や公園整備にかかわった七つの企業、団体に感謝状を贈呈。夢海公園の名付け親である木之内美奈さん(45)=千葉県千葉市=には、表彰状と副賞を贈った。
 戸田市長は「大船渡駅周辺地区の復興を目指し、土地区画整理事業と津波復興拠点整備事業を推進してきたが、3月末をもって基盤整備の一切を完了した。引き続き、市全体の復興事業の早期完遂に向け、全力で傾注していく」とあいさつ。UR岩手震災復興支援本部の里見達也本部長は「多くの方々の協力と理解により、竣工式を迎えられて感謝している。被災者の方々の生活が再建され、ますます大船渡市が発展するよう願う」と述べた。
 来賓の鈴木俊一東京オリンピック競技大会・パラリンピック競技大会担当大臣、安藤裕復興大臣政務官が祝辞を述べ、県復興局の大槻英毅局長が県知事の祝福メッセージを紹介。基盤整備工事の経過説明も行われた。
 その後、夢海公園入り口前でテープカットと子どもたちによるバルーンリリースを行い、同公園がオープン。さっそく子どもたちが公園の遊具で遊び、楽しんだ。
 同公園の面積は9484・89平方㍍で、芝生広場、遊具広場、あずまや、駐車場などを設置。当面は遊具広場やトイレ周辺のみ利用できる。
 大型アスレチック遊具・ザイルクライミングで遊んだ高橋湖梅さん(米崎小4年)と及川夏実さん(盛小同)は、「上の方まで登るのは怖かったけど、海が見えて楽しかった。また遊びに来たい」と笑顔をみせた。
 式後は、大船渡プラザホテルでレセプションを開催。来賓や関係者ら約70人が出席し、県立大船渡東高校太鼓部による演奏、鏡開きなどを行い、中心市街地の発展を祈念した。
 レセプションにも出席した木之内さんは「28年に県内を旅行した際にBRTで沿岸部を通り、なじみがあったので応募した。夢海公園が地元の方々に愛され、長く親しんでもらえる公園になればと思う」と話していた。