神秘の洞窟探検に歓声 あすまで「滝に鯉(恋)まつり」 上有住の滝観洞(別写真あり)
令和元年5月4日付 7面
住田町上有住の滝観洞で3日、「滝に鯉(恋)まつり」が始まった。大型連休に合わせた恒例イベントで、初日は好天にも恵まれ、近くにインターチェンジがある高規格道路の開通効果も手伝ってか、親子連れなど多数が来訪。それぞれに洞窟探検や渓流釣りを楽しみ、にぎやかな歓声が山あいに響き渡った。同まつりは5日(日)まで行われる。
親子連れなどでにぎわう
全長3635㍍、高低差115㍍にも及び、国内屈指の鍾乳洞を誇る滝観洞。ダイナミックな造形の岩肌や地下水などによる神秘的な光景が続く。洞口から約880㍍地点には高さ約60㍍に及ぶドーム型の空間があり、その天井部の裂け目から落差29㍍の「天の岩戸の滝」が注ぐ。
まつりは大型連休に合わせた恒例イベントで、滝観洞観光センターが毎年開催。開催時間は午前9時〜午後3時。入洞のほか、子ども連れ限定の渓流釣り体験(料金1000円、午前10時から)も。ジンギスカン焼肉コーナー、名物の滝流しそば、川魚の塩焼き、鶏ハラミ焼き、レストランで提供する「洞くつカレー」など、食事でも来訪者を歓迎する。
その初日、地元の上有住出身で公務員の村上洋平さん(36)=盛岡市=は、家族や兄弟ら9人で訪れ、洞窟探検などを楽しんだ。長男で小学2年生の航平君は初めて入ったといい、「壁に化石があったりして楽しかった。一番奥にあった滝は、大きくて『ざーっ』という音がすごかった」と笑顔を見せていた。
住田町中心部から滝観洞へのアクセス路は狭くカーブも連続する〝難所〟となっていた。平成20年に釜石花巻道路の「滝観洞インターチェンジ」が供用開始されると、同年〜22年の入洞者は1万人を超えた。今年は同道路が全線開通して三陸沿岸道とも接続。大船渡、陸前高田両市はじめ沿岸からのアクセス利便が高まった。
この日も家族連れなど多数が車で来場。通路が狭い洞内の混雑を防ぐため、午前中は30分程度の〝入洞待ち〟措置をとるほどのにぎわいだった。
前日の2日も多数が訪れ、250人ほどが入洞したといい、センターでは「道路開通の効果も大きいのではないか。今後も天候に恵まれ、たくさんの人に来てもらえるよう期待したい」としている。
『子どもの日』の5日は、小学生以下の入洞料が無料。同日は午前10時からと午後1時から、人気似顔絵師の三浦のろ子さんによる似顔絵コーナーが設けられ、それぞれ先着10組(1人1000円)を受け付ける。問い合わせは、同センター(℡48・2756)へ。
また、同日は近隣の上有住駅に「SL銀河」の下り(花巻駅発)列車が停車する。到着予定は午後2時15分。