山あい染める黄一色 下有住の菜の花畑見ごろに 住田(別写真あり)

▲ 見ごろを迎えた菜の花畑

 住田町下有住の菊田富祐さん(66)が管理する畑で、菜の花が美しく咲き出し、一面の鮮やかな黄色が道行く人々の目を楽しませている。5月いっぱいは見ごろが続くとみられ、収穫後は菜種油として加工される。
 菜の花畑は、国道340号から入る県道遠野住田線沿いの町コミュニティバス「新切」停車場付近にある。菊田さんは5年ほど前から、かつては稲作が行われた農地で菜種栽培に取り組んできた。
 今年は、3カ所で計0・4㌶栽培。まとまった降雨があった6日以降、一気に開花した。8日はスッキリとした青空が広がった中、のどかな山あいに黄一色の〝じゅうたん〟が映えた。
 毎年7月に刈り取り、自宅で乾燥。専門業者に委託し、黄金色の油は秋に瓶詰めされる。添加物を何も加えない〝純新切産〟で、町内の産直施設などに出荷している。
 県道遠野住田線を遠野市方向に進むと蕨峠町有地があり、11日(土)からは「すみた里山を守る会」(紺野昭二会長)による「観光ワラビ園」の収穫体験が始まる。3月に山焼きを行うなどしてワラビの生育を促していることから採りやすく、町内外から人気を集める。菜の花畑はその玄関口に位置し、多くの人々が足を止める。
 菊田さんは「肥料は豊富にしているが、水はけの悪い部分などはいつも難しい。それでも、今年もきれいに咲いてくれそうだ。ワラビ採りに来た時にでも、楽しんでもらえれば」と話している。