ドイツのマリーさん 東北一人旅 みちのく潮風トレイルで沿岸部の散策楽しむ (別写真あり)

▲ 出会った観光客と交流するマリーさん㊧

 ドイツ出身のマリー・メンガーさん(35)が、みちのく潮風トレイルを歩きながら東北一人旅を満喫している。8日に大船渡市入りし、末崎町の碁石海岸散策を楽しんだ。「トレイルを通じてコミュニティーが生まれるのが楽しい」とマリーさん。目指すはトレイル最南端の終点・福島県相馬市松川浦。行く先々で出会う人たちと交流を深めながら、きょうも歩みを進める。

 

気仙を通過、終点目指す

 

 みちのく潮風トレイルは、青森県八戸市から福島県相馬市までの海岸線を結ぶ全長1000㌔余の長距離自然歩道。大船渡、陸前高田両市にもルートが設定されており、6月9日(日)に全線開通を迎える。
 コンサルティング業に就いているマリーさんは2年前から、京都に本社を置くベンチャー企業の東京支社で勤務。今年7月には、母国・ドイツに戻ることが決まっている。帰国までに全47都道府県を回ることを目標としており、岩手は44番目の来訪となった。
 インターネットで同トレイルについて知ったといい、1週間前に起点となる青森県八戸市をスタート。徒歩のほか、バスや電車を利用して移動している。
 8日には、「サテライトセンター」としてみちのく潮風トレイルの大槌町─宮城県気仙沼市間ルートを管轄している末崎町の碁石海岸インフォメーションセンターを訪問。スタッフらと歓談したり、関東方面から訪れていた観光客とも積極的に交流した。
 「海岸の景色もだけど、人の優しさが一番の魅力。ホスピタリティが素晴らしく、心から優しくしてくれている」と、これまでの旅路を振り返る。
 道中では震災についても学んできたといい、「津波でまちが破壊されながらも、震災から立ち上がった人々のスピリットは特別なものだと思います」と語る。
 同日は大船渡市中南部ルート上にある碁石海岸の穴通磯などを、9日には陸前高田市ルートも回ったマリーさん。「みんな親切にしてくれて、ハッピーだった。日本には何度でも来たい」と、笑顔で気仙を後にした。
 全線開通を間近に控えている同トレイルは、公式ホームページ上で英語版ルートマップが提供されているほか、ルート上の案内看板への英語併記など、訪日外国人向けのサービスも展開されている。
 欧米からは同トレイルへの注目度も高まっていることから、今後は外国人観光客向け情報のさらなる充実も求められてきそうだ。