〝山の恵み〟楽しんで 19日まで開放 ワラビ収穫体験スタート 住田(別写真あり)

▲ 順調に生育したワラビが来訪者を歓迎

 住田町のすみた里山を守る会(紺野昭二会長)は11日、下有住字奥新切の蕨峠町有地で「観光ワラビ園」の開放を始めた。里山の丘陵地約2㌶には、3月に実施した山焼きで成長が促されたワラビが一面に広がる。訪れた人々は丘陵地のさわやかな空気を吸い込みながら、収穫を満喫した。開放は19日(日)まで行われる。
 守る会は、里山地域の有効活用と環境整備を図ろうと、伝統的な山焼き手法の取得と継承を目指す団体。3月19日に山焼きを行い、安全に歩ける丘陵地に新たな草花や山菜が芽吹く環境を整えた。
 初日は、開放開始から1時間で県内外から30組超が来場。ビニール袋などを手にしながら丘陵地に入り、「ポキッ、ポキッ」と音を立てながらワラビを摘み取った。
 茎のしっかりしたものを選ぶだけでなく、柔らかな食感を楽しもうと穂先が分かれるまで伸びていないものを摘む姿も。足の踏み場がないほど芽吹き、来園者は袋いっぱいにワラビを詰め込みながら、「楽しいね」「また来たい」といった声を上げていた。
 大船渡市三陸町吉浜から訪れた岡﨑茂さん(67)は「5年ほど前から毎年来ており、楽しみの一つ。採りやすい場所に密集しているから、うれしいね。ゆがいてそのまま食べたり、煮物にもしたい」と話していた。
 今年の生育は、4月に寒さが続いた影響で例年よりも遅いという。紺野会長(74)は「開園直前にようやく間に合ったという感じ。その分、最終日まで十分楽しめそう」と語る。
 ワラビ園は、国道340号から入る県道遠野住田線を約9㌔遠野市方向に進んだ先に広がる。今後の開放日は12、14(火)、16(木)、18(土)、19の各日を予定。13(月)、15 (水)、17(金)の各日は休園とし、成長を促す。
 受け付けは午前8時30分からで、体験時間は同9時〜正午。参加料は1000円で、2㌔まで取り放題。超えた分は1㌔ごとに300円払う。
 事前に電話で申し込みを受け付けているが、当日直接の体験も可能。申し込み、問い合わせは同会事務局(町農政課農業振興係℡46・3861内線235)へ。