シンボルロード南端に「避難路」示す石碑設置 「ハナミズキのみち」の会 陸前高田(別写真あり)
令和元年5月14日付 7面
陸前高田「ハナミズキのみち」の会(淺沼ミキ子代表)は12日、陸前高田市高田町を南北に貫く主要避難道・シンボルロード(市道曲松中和野線、全長約1・9㌔)の全線開通を祝い、現地で「記念碑」の除幕式を行った。同路線南端(海側)に設置された碑文には「この道を より高い所に 駆け上がれ!」と記され、8年2カ月前に発生した東日本大震災の教訓を広く長く伝えていく。
道行く人に教訓伝える

『ハナミズキの願い』などの楽曲が披露されたコンサート
同会は平成25年に市民有志らで発足。23年の震災発生当時、B&G海洋センターに勤務していた長男の健さん(当時25)をなくした淺沼代表(55)が手がけた絵本『ハナミズキのみち』にある通り、「海側から山側へ抜けるシンボルロードの両脇を紅白のハナミズキで彩り、避難路であることを明示したい」とかねて市に対しても要望し、植樹を実現させるための活動を繰り広げてきた。
「津波で子どもを失う苦しみを、二度と誰も経験することがないように」と、誰よりも避難路完成を願ってきた淺沼代表は「母の日」である同日、『ハナミズキのみち』の原画を担当した著名な絵本作家・黒井健さん、編集者の野上暁さん、戸羽太市長らとともに記念碑の除幕を行った。
碑は「避難路」の文字を記した土台と、絵本『ハナミズキのみち』の表紙を模したモニュメントで構成され、モニュメントには「津波が来たとき、みんながあんぜんなところへにげる目じるしに、ハナミズキのみちをつくってね」とする作品の一節が刻まれている。
4月26日に開通したシンボルロードのうち、中心市街地を含む土地区画整理事業区域内には市がすでにハナミズキ90本以上を植えており、現在、白と薄紅色の花を交互に咲かせながら並び立つ。同会は秋ごろ、同区域外の海側のエリアに21本を植樹する計画。
また、この日は同町の市コミュニティホールで絵本の原画展と記念コンサートも開催。演奏に先立ち淺沼代表は、「ハナミズキは『母の日』のころに満開を迎える花。晩秋にはさらに21本を植えて完成させるが、それで終わりなのではなく、そこからが〝始まり〟。なぜこの道があるのか、多くの人に知ってもらいたい」と語り、来場した人々にも津波避難の教訓を一緒に伝えていってほしいと訴えるとともに、活動の賛同者や協力者らに深く感謝を示した。
続いてバイオリニストの濱島秀行さん、長尾匡祐さん(歌・ギター)とせらよし子さん(ピアノ)によるユニット「ドートレトミシー」などが、同会の思いや命の尊さを楽曲に乗せて伝えた。
同市出身のパーカッショニスト・はたけやま裕さんは、自身のアルバム『ハナミズキの願い』の制作に携わったバイオリニストの古澤巌さん、作曲家・ピアニストのKeikoさん、シング・ライク・トーキングのボーカル佐藤竹善さんとともに出演。観客は一流のミュージシャントリオによるドラマティックな演奏と、佐藤さんの伸びやかな歌声に聞きほれた。
メンバーは最後に、同会のテーマソングでもある『ハナミズキの願い』を披露。失ってしまった大切な人にもう一度会いたいと願う気持ち、亡き人の思い出を胸に再び歩き出そうとする姿を描いた曲が来場者の涙を誘っていた。
同会は公式サイト(http://hanamizuki
nomichi.com/)で、植樹やハナミズキの維持保全にかかる費用の寄付も募っている。






