市長と副市長減給処分に 元職員の逮捕事件受け 市議会臨時会で可決 大船渡

▲ 市職員の逮捕事件にかかる市長、副市長の処分に関係する条例案を賛成多数で可決

 大船渡市議会臨時会は16日、議場で開かれ、報告1件、議案7件を原案通り承認、可決、同意した。このうち、常勤の特別職職員の給与に関する条例の一部改正案は、市が発注した簡易水道事業の業務委託を巡る贈収賄事件で元市職員が逮捕、起訴されたことに伴うもので、6月から戸田公明市長を3カ月間、髙泰久副市長を2カ月間、期末手当も併せてそれぞれ10分の1の減給とすることを決めた。
 議員全員が出席。この日、市は条例案や平成30年度補正予算案関連の専決処分5件、特別職の給与に関する条例案、市固定資産評価員の選任に関する7議案と、大船渡駅周辺地区に関連する下水道整備事業業務委託変更協定の締結に関する専決処分の報告1件を提出した。
 条例案のうち、常勤特別職の給与に関する条例の一部改正案は、市が発注した簡易水道事業の業務委託で便宜を図った見返りに現金30万円を受け取ったとして、今年1月に当時の市都市整備部簡易水道事業所技監が収賄の罪で逮捕、起訴された事件を受けてのもの。
 この事件では今月8日付で職員を懲戒免職とし、組織上の関係部長級職員を1カ月間、直属の部長級職員を3カ月間、それぞれ10分の1の減給とする処分を行った。
 市長と副市長は特別職のため、この日の臨時会に条例案として提案。戸田市長は6月から3カ月間の給与と期末手当の10%分となる計40万2000円、髙副市長は6月から2カ月間の給与と期末手当の各10%分となる計26万5000円がそれぞれ減額される。
 議員からは「当市にとって重大な事件。この処分は非常に甘いのでは」「特別職や幹部職員がこのような処分内容であれば、逮捕された職員は懲戒免職ではなく、諭旨免職でもよかったのではないか」と、市長らの処分内容を厳しく指摘した。
 「重大な事件と認識し、これから市政に取り組んでほしい」とする議員側の声に対し、戸田市長は「議会との情報共有や情報発信、透明性などを今後も堅守しながら市政運営に努めたい」と答えた。議決の結果、賛成多数で原案通り可決された。
 30年度補正予算の専決処分は、一般会計、漁業集落排水事業と公共下水道事業の2特別会計。
 このうち、一般会計は東日本大震災復興交付金の交付額の確定等による国庫支出金の減額補正、事業費の確定によるまちづくり基金および同交付金基金繰入金の減額補正、事業費の確定による繰越明許費の追加、変更等の補正予算措置が必要になったことによるもの。歳入、歳出ともに2億1151万円を減額し、総額を314億9049万円とした。
 また、新たな市固定資産評価員には、市税務課長の安田由紀男氏(60)=赤崎町=の選任に同意した。