インバウンド対策学ぶ ラグビーW杯開催を前に キャッセン大船渡(別写真あり)

▲ 村尾さん㊧がキャッセンの各店舗を訪問

 中小企業などのブランディングを行い、県の「希望郷いわて文化大使」も務める村尾隆介さん(45)=東京都=が24日、大船渡市大船渡町のキャッセン大船渡を訪問し、インバウンド対策などについてアドバイスを送った。今年9、10月のラグビーワールドカップ2019釜石開催では、多くの外国人旅行客が近隣市町にも訪れることから、機運を高めようと同実行委員会(会長・達増拓也知事)が企画。外国人への対応について、店舗経営者らが村尾さんからヒントを聞き、大会盛り上げやもてなし充実へと理解を深めた。

 

村尾さん(東京都)が店舗訪問


 ラグビーワールドカップ2019は、今年9月20日から11月2日までの期間に国内12会場で開催される。
 このうち釜石市の「釜石鵜住居復興スタジアム」は12会場のうち唯一の新設会場で、震災の津波で全壊した小中学校の跡地に建設された。同スタジアムでは9月25日(水)にフィジー対ウルグアイ、10月13日(日)にナミビア対カナダ戦が行われることとなっており、チケットの売り上げは好調で倍率は12会場中3番目に高いという。
 収容人数1万6000人の同スタジアムは2試合とも満員となることが予想され、釜石市内だけでは宿泊施設が足りず県内陸部や大船渡市など、各地に多くの長期滞在観光客が訪れる可能性が高い。
 実行委では、こうしたことから各市町村でも機運を盛り上げていこうとさまざまな取り組みを展開しており、村尾さんの訪問もその一環。
 村尾さんは企業だけではなく自治体のブランディング、豊富な海外経験を生かしたインバウンド対策にも取り組んでいる。今回、東京から釜石市まで約600㌔を自転車で移動しながら、W杯のPR、おもてなしステッカー配布、沿岸商業施設におけるおもてなし・復興支援へのお礼のアドバイスを展開。25日には釜石市でセミナーを開催する。
 この日は、キャッセン大船渡内の「貝だしラーメン黒船SECOND」「三陸おさかなファクトリー」「菓匠 高瀬」の3店舗を訪問。各店舗で店主と会話をしながら客層や店内レイアウト、人気商品、導線なども細かく確認し、「外国人に買ってもらいたいものをPRをしてはどうか」「ヴィーガン、ベジタリアン向けのメニューを提供してはどうか」など、それぞれアドバイスを送った。
 店舗訪問を終え、村尾さんは「(キャッセン大船渡は)開放的な空間で、外国人の方はこうした場所を好む。岩手沿岸に世界中の人が来る大チャンスとなるので、岩手一丸で、岩手ファンになってリピートしてもらうことに取り組んでいければ」と感想を語った。
 同行した県文化スポーツ部ラグビーワールドカップ2019推進室の湯田和也主任(40)は「ラグビーワールドカップを契機に、インバウンド対策を進めていきたい」と話していた。
 25日のセミナーは釜石市の釜石PITで午後2時から行われる。入場は無料で当日参加も可能。実行委では地域問わず、多くの参加を呼びかけている。