役場内に木造仮設住宅 三陸防災復興Pの一環 住田町(別写真あり)

▲ 8年間保管していた部材を生かして仮設住宅モデルを再建

6月1日から見学可能に

 

 住田町役場交流プラザ内で27日、6月開幕の三陸防災復興プロジェクト2019に向けた木造仮設住宅の展示準備作業が行われた。東日本大震災直後の平成23年夏に東京都港区の六本木ヒルズアリーナで展示した部材を生かし、建設からの歩みや、各団地での交流を深めた人々・団体との再会機会などにつなげる考え。住宅内部を見学できる展示は6月1日(土)~8月7日(水)に行われる。
 同プロジェクトは、三陸鉄道の一貫運行、陸前高田市で整備が進められている震災津波伝承館の開館、ラグビーワールドカップの釜石開催など、三陸地域が世界的に注目を集める今年に合わせ、復興へと歩む地域の姿を発信して震災の風化を防ぎ、国内外からの復興支援に対する感謝を発信する総合的な防災復興行事。気仙を含む沿岸部で各種イベントが開催される。
 住田町では「つながりの風景」として、震災後に後方拠点として活動した足跡などに光を当てる。企画の目玉となる一つが、木造庁舎内での仮設住宅展示。この日は、住田住宅産業㈱による作業が行われ、町内では8年ぶりに仮設住宅建築のつち音が響き渡った。
 町は震災直後、独自での建築を決断し、2カ月余りの間に町内3カ所に計93戸を整備。役場内の作業も、数時間で板材による外壁が建てられるなど迅速に進み、その後は台所や浴室の設備が入った。各住宅に整備されたペレットストーブの設置も行われた。
 被災世帯の住宅再建が進み、気仙両市でも仮設住宅の多くが撤去された中、展示では改めて発災以降の歩みを振り返るとともに、地域資源や地元技術を防災に生かすあり方を発信する役割を担う。展示する住宅内では仮設住宅入居者や町関係者、支援活動にあたってきた住民らの声を集めたインタビューの映像上映も行われる。
 期間中の平日は午前8時30分~午後5時、土・日曜日・祝日は午前10時~午後4時に公開。6月8(土)、9(日)、22(土)、23(日)、29(土)、30(日)と、7月27(土)、28(日)の各日は休館日とする。
 また、6月15日(土)と7月20日(土)の午前10時から、事前申込制の仮設住宅団地見学会を開催。申し込み、問い合わせは町農政課(℡46・2111)へ。