「つながりの風景」未来に オープニングセレモニー開催 住田(別写真あり)

▲ 8月7日まで開催される「つながりの風景」

 木造仮設住宅など展示

 

 住田町役場交流プラザ内で3日、三陸防災復興プロジェクト2019に合わせた展示企画「つながりの風景」のオープニングセレモニーが開かれた。出席者は、同町が独自に展開してきた後方支援の象徴である木造仮設住宅を前に、心を交わしながら苦難を乗り越えた足跡の発信を誓い合った。
 セレモニーには、町関係者や仮設住宅の元自治会役員ら約50人が出席。町から委託を受け、展示準備を進めてきた同町の一般社団法人・邑サポートの奈良朋彦代表理事が「震災からの歩みに加え、地元の方々や各種団体の取り組みなど、いろいろな出来事を振り返ることができる」とあいさつした。
 主催者である神田謙一町長は、震災の風化防止や激甚災害への備え、人と人のつながりの大切さを確かめる機会になるとし、「今後の地域発展につなげていきたい」と語った。

 引き続き、下有住・中上団地住民らの支援活動に尽力してきた金野純一下有住地区公民館長が、発災からの日々を述懐。「平成23年6月から中上の住宅で被災者の生活が始まり、ちょうど8年の付き合いになる。入居した人は下有住を通った時に『いちばん大変な時期に一緒に過ごしたな』と笑顔で振り返られるようになれば幸せ」と、期待を込めた。
 また、中上団地自治会の柳下八七元会長は今年自宅を再建したことなどを明かし、「木造の〝一戸建て〟という素晴らしい仮設に暮らし、住田の方々からご支援を受け、今は感謝しかない」と述べた。
 テープカットが行われたあと、出席者は再現された木造仮設の内部をじっくりと見学。木のぬくもりにあふれる過ごしやすさを体感したほか、各種団体の支援活動や交流をまとめたパネル展示などを目にし、震災からの歩みを見つめ直していた。
 会場では、震災後に後方拠点として活動した足跡などを発信しようと、住田テレビの協力を得て仮設住宅入居者や町関係者、支援活動にあたってきた住民らの声を集めたインタビューの映像上映も。仮設住宅の通路沿いなどに整備された木造ベンチの実物や、震災に関する出版物の展示も行っている。
 公開は8月7日(水)まで。期間中の平日は午前8時30分〜午後5時、土・日曜日、祝日は午前10時〜午後4時に公開。6月8(土)、9(日)、22(土)、23(日)、29(土)、30(日)と、7月27(土)、28(日)の各日は休館日とする。
 また、今月15日(土)と7月20日(土)の午前10時から、事前申込制の仮設住宅団地見学会を開催。申し込み、問い合わせは町農政課(℡46・2111)へ。