2019県議選/投票日まで3カ月

 任期満了に伴う県議選は8月30日(金)告示、9月8日(日)投票の日程で行われる。投票日まで3カ月と迫った中、大船渡選挙区(定数1、大船渡市)は5期目の現職・田村誠氏(70)=大船渡市赤崎町、国民民主党=が態度を明らかにしておらず、陸前高田選挙区(定数1、陸前高田市・住田町)は2期目の現職・佐々木茂光氏(61)=陸前高田市気仙町、自民党=が3選出馬を決めている。現段階で、大船渡では新人擁立の動きが見られる一方、陸前高田は無風状態となっている。

 

大船渡区…田村氏は態度未表明
陸前高田区…佐々木氏3選出馬へ

 

佐々木茂光氏

田村 誠氏

県議選は9月10日の任期満了に伴うもので、16の選挙区で48議席を争う。総仕上げ段階を迎えた東日本大震災からの復興、少子高齢化や人口減少をはじめとする課題への向き合い方が問われ、16人が所属する最大会派で県政与党を自任する改革岩手と、達増県政に批判的なスタンスに立つ10人が所属する自民党系の自由民主クラブなどとの勢力争いも注目される。
 気仙の情勢をみると、平成27年の前回選は大船渡、陸前高田両選挙区とも現職以外の名乗りがなく無投票に終わり、大船渡の田村氏が5選、陸前高田の佐々木氏が2選を決めた。
 大船渡選挙区の田村氏は、大船渡市議5期を経て平成11年の県議初当選以来、連続5選。改革岩手に所属し、27年9月から29年9月まで議長。労組を支持母体とし、国民民主党県連副代表も務める。昨年11月の市長選では、現職・戸田公明氏(70)の3選を支えた。
 改選に向けては、「支持者との話し合いが済んでいない」と態度を明らかにしていない。選挙区内では水面下で新人擁立の動きがあり、田村氏の進退とともに関心を集めている。
 一方、陸前高田選挙区の佐々木氏は、市議3期を経て県議選2度目の挑戦となった23年9月に初当選し、連続2選。自由民主クラブ所属で、県土整備委員長を務める。
 今月1日に3選出馬を正式表明。「復興事業は進んだが、地域の復興の実感はまだ低い。風化が進む中、政権与党とつながりを持ち、地元の声をしっかり届けられるよう働きたい」と決意を語っている。
 同選挙区の陸前高田市では同日投票の市議選(9月1日告示)、住田町では9月17日(火)告示、同22日(日)投票の町議選が控えている。現段階で、現職市町議の転身や新顔が名乗りを上げる動きは見られず、2期連続無投票の可能性が浮上してきた。
 今月3日現在の気仙の選挙人名簿登録者数は、大船渡市が3万1514人(男1万5014人、女1万6500人)、陸前高田市が1万6770人(男8124人、女8646人)、住田町が4853人(男2365人、女2488人)。

 

知事選は達増
氏の動向焦点

 

達増拓也氏

 県議と同じく9月10日の任期満了に伴う知事選は、8月22日(木)告示、9月8日投票の日程で行われる。3期目の現職・達増拓也氏(54)=盛岡市、無所属=は現段階で進退を明確にしていない。ほかに具体的な名前は挙がっておらず、達増氏の動向が焦点となっている。
 達増氏は盛岡市出身で東京大学卒。外務省職員を経て当選した衆院議員4期目の任期途中で辞職し、平成19年の知事選に民主党推薦で出馬して初当選。東日本大震災半年後の23年9月の前々回選で再選を果たし、自ら策定の中心となった県復興基本計画・復興実施計画(23~30年度)を推進してきた。
 27年に行われた前回選は、自ら「原則2期8年」としてきた公約を撤回して立候補。無所属で「県民党」の立場を示し、国政野党の各党が支援した。
 対する国政与党の自民・公明は、当時無所属の参議院議員の平野達男氏(65)=北上市、自民党=を推したが、告示目前で立候補の辞退を表明。これによって、昭和22年の公選制スタート以来、本県知事選では初めての無投票となった。
 達増氏は前回選時、任期満了まで約10カ月を残した26年11月に出馬の意向を表していたが、今回についてはいまだ態度を明確化していない。国政与党側など達増県政に批判的な層からの対抗馬擁立は表立った動きが見られない。
 自ら策定の旗振り役を務め、「幸福度指標」を導入した新しい総合計画(本年度~令和10年度)が走り出して間もないことから、〝続投〟の見込みもあるが情勢は不透明だ。