2019参院選岩手選挙区/与野党対決の構図に 平野、横澤両氏が名乗り

横澤高徳氏

平野達男氏

 7月4日(木)公示、同21日(日)投開票の日程が有力視される第25回参議院議員通常選挙。平成25年の第23回選挙における選出議員の任期満了(同28日)に伴うもので、岩手選挙区(改選数1)ではこれまで、自民党の現職・平野達男氏(65)=北上市、3期=と、無所属の新人で野党3党が推す元パラリンピック選手の横澤高徳氏(47)=矢巾町=が名乗りを上げている。ほかに動きは見られず、与野党対決の構図となりそうだ。

 

 現職の平野氏は東京大学卒。農水省などを経て平成13年に自由党公認で初当選。同19年に民主党公認で再選し、任期中に復興大臣も務めた。25年の選挙には民主を離党して無所属で臨み3選。27年に自民党の支援で知事選出馬準備を進めたが断念し、翌28年に自民に入った。
 昨年6月に4選出馬を表明。自民公認候補の立場では初めての挑戦で、公明党の推薦も得た。先月には住田町で集会を開き、盛岡市内で事務所開きを行うなど、自民としては第16回選挙(平成4年)以来27年ぶりとなる岩手選挙区勝利を目指し、地盤固めを進めている。
 一方の横澤氏は盛岡工業高校卒。自動車・オートバイメーカーのスズキにテストライダーとして勤務したあと帰郷。事故で車いす生活となったことでチェアスキーに出合い、22年のバンクーバーパラリンピックに出場しており、「『弱者に優しい社会はみんなに優しい社会』の実現」を掲げる。
 国政野党県組織は近年の国政選挙で共闘スタンスをとっており、今回は自由の主導で横澤氏擁立を進め、共産、社民は今年2月の時点で合意。国民民主は共通政策には合意したが、党本部において小沢一郎氏(衆議院岩手3区)がトップの自由との合流が浮上していた中で反発姿勢を示し、元衆議院議員で県連代表だった黄川田徹氏(65)=陸前高田市=擁立を提案した。
 協議がまとまらない中で、横澤氏は無所属の3党推薦として3月に正式立候補を表明。この後、自由との合流が決まった国民民主は、先月11日の県連常任幹事会で黄川田氏擁立の取り下げを決定。同氏と階猛代表代行(衆議院岩手1区)らは離党を届け出た。一方で共通政策に合意していたこともあり、今後は横澤氏推薦にかじを取るものとみられる。
 8日現在、選挙日程は決まっていない。「任期満了日の前30日以内」など公職選挙法の規定に加え、投票日を日曜日とすること、G20大阪サミットが今月28、29日に開催されることを踏まえ、「4日公示、同21日投開票」が有力視されるが、気仙の関係者からは「準備は進めるが、日程が確定しなければ活動は本格展開しがたい」との声が聞かれる。
 また、衆院解散による同時選の可能性もささやかれており、政党間のかけひきの行方が注目される。

 

立憲民主党が県連設立承認

 

 立憲民主党は4日、岩手県連の設立を承認した。国民民主を離党した県内の市議4人の入党も承認。気仙からは、黄川田徹氏と行動をともにしてきた陸前高田市議の及川修一氏(63)=5期、小友町=と菅野稔氏(73)=4期、気仙町=が名を連ねた。
 同日の常任幹事会で認めたもの。参院選比例に、前国民民主県連事務局長で会社役員の中村起子氏(54)=盛岡市=の公認も決めた。
 県連代表には盛岡市議の高橋重幸氏(66)=5期=が就く見通しで、12日に盛岡市内で記者発表を予定。黄川田氏には県連顧問などの役職に就くよう要請しているという。