被災地の〝今〟見つめる 在京大使館関係者 7カ国の10人が気仙訪問

▲ 陸前高田市の追悼施設で献花を行うイサ大使

 在京大使館の関係者らが12日、大船渡、陸前高田両市を訪問した。復興庁による「『復興五輪』海外発信プロジェクト」の一環として企画されたもので、7カ国の大使や公使が被災沿岸部を回りながら被災地の〝今〟を見つめ、復興に向かう地域の姿を目に焼き付けた。
 復興庁では2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会、ラグビーワールドカップ2019に向け、日本に駐在する諸外国の大使館館員に対して復興に向かう被災地の姿や地域の魅力を伝えるとともに、被災地での開催競技や風評払拭に関する情報の発信を行う「復興五輪海外発信プロジェクト」に取り組んでいる。
 今回の被災地訪問もその一環で、先月の宮城県に続いて被災3県では2番目の開催となった。
 この日は、アンゴラやインドネシア、オーストラリア、クウェート、ナイジェリア、ホンジュラス、ボツワナの大使、公使ら10人が気仙を訪問。
 一行ははじめに、陸前高田市高田町にある復興まちづくり情報館と追悼施設に足を運び、市職員から被災前後の同市の状況や奇跡の一本松、住宅再建、土地区画整理事業などについて説明を受けた。大使館関係者を代表し、ナイジェリアのモハンメド・ガナ・イサ大使(60)が献花し、震災犠牲者に哀悼の意を表した。
 イサ大使は「あのような災害が二度と来ないことを祈る。陸前高田市や復興庁の皆さんの復興のための努力に敬意を表したい」と述べたうえで、今回の被災地訪問については「津波の被害の程度、被災した地域がどのように復興しているのか、被災した住民の方々がどのように再建していってるのかを知りたい」と話していた。
 大使らはこのあと、大船渡市に移動し、大船渡町の市防災復興交流センターを訪問。市職員からまちづくりについての説明を受けながら、復興が進む中心市街地をながめた。
 一行は同日、釜石市に建設された鵜住居復興スタジアムなども見学した。