前夜祭でビジネスコン きょう国際開発学会春季大会 陸前高田
令和元年6月15日付 7面
開発途上国の発展や国際協力のあり方を探る「国際開発学会」の春季大会は15日、陸前高田市米崎町の交流・研究施設「陸前高田グローバルキャンパス」(旧米崎中)で開かれる。14日の前夜祭ではビジネスコンテストがあり、地元の高田高校生が地場産業を生かしたビジネスプランを学会員らを前に発表した。15日は、国内外の災害からの復興をはじめ多様な学術研究発表のほか、誰でも観覧可能なシンポジウムを予定している。
高田高生 堂々と発表
同学会は、経済学、経営学、政治学、社会学、文化人類学、農学、工学、医学など、それぞれの分野で発展させてきた開発問題に関する知識、経験体系を集約する横断的な政策研究組織。開発研究、開発協力に従事する人材の養成を図っており、会員は1600人を超える。
今大会は、学会創設30周年を記念するもので、東北での開催は初。ホスト大学がない地域を会場とするのは極めて異例だが、大会組織委員長で、東京大東洋文化研究所の佐藤仁教授が震災後、日米の学生を引率し、陸前高田市を訪れたことがある縁などから実現した。
14日の前夜祭は市コミュニティホールで開かれ、ビジネスコンテストには独自のキャリア教育に力を入れる高田高の2年生10人が出場。学会員や同校1、2年生合わせて約340人を前に、復興や地域活性化のためこれまで練り上げたビジネスプランを発表した。
審査員は、岩手大の岩渕明学長を委員長に、JICAの須藤勝義東北所長、名古屋大副総長で同学会の伊東早苗副会長ら5氏。講評では各氏が発表から伝わる生徒の郷土愛を評価し、岩渕委員長は「発想の豊かさに感激した。プレゼンの仕方も勉強しながら内容を磨き上げてほしい」と述べた。
最優秀賞に選ばれた菅崎怜さんはスギの間伐材を使った「木製ストロー」の商品化を提言。「自分で考えたプランが評価されてうれしい。アドバイスを生かし、細かいところを修正したい」と話した。
その後は「見てびっくり、世界の国と街」と題し、中東やアフリカなどの国々について楽しく学ぶ学会員のプレゼンも。民族衣装を着た学会員が写真などを交えて紹介した。
前夜祭の前には、高田高で学会員による特別講義も行われた。1年生約100人は、国連全加盟国が採択した持続可能な開発目標「SDGs(エスディージーズ)」について学び、2年生約110人は7グループに分かれ、南アジア途上国の医療事情や開発における政府や国際機関の役割をテーマとするミニ講義を受けた。
15日は「災害復興の国際学」「国際協力の質」などをテーマに20以上のセッションがあり、学会員らが発表。午後4時50分からは同キャンパス体育館で、一般も参加できるシンポジウムを開催する。
シンポジウムのテーマは「災害を上書きする街づくり:陸前高田とアジアの経験」。戸羽太市長の基調講演、「タイ・バンコクの大火災と復興」「台北建設と後藤新平」と題した講演、同市の村上清参与や同学会の池上寛事務局長らによるディスカッションを予定している。
16日には、一般社団法人・マルゴト陸前高田が手がけるスタディーツアーを行い、学会員らが被災地の現状を視察する。





