地元就職へ情報交換 事業所と高校の担当者ら 大船渡で(別写真あり)
令和元年6月28日付 1面

気仙地区内で来春高校卒業予定者の求人を提出した事業所と、高校や支援学校の職業指導担当との情報交換会が27日、大船渡市盛町のリアスホールで開かれた。少子化もあって若い世代の引き合いが強まる中、企業と学校側双方が熱心に情報を集めた。
この催しは、気仙地区雇用開発協会(岡田真一会長)と大船渡公共職業安定所(中村剛裕所長)が主催。求人・求職動向などの情報交換を行うことで相互の理解を深め、学校での職業指導を円滑に進め、地元就職を促進するとともに事業所が必要とする人材を確保しようとの目的で、例年この時期に開いている。
この日、事業所側は求人手続きを済ませた気仙地区内の37事業所、学校側は大船渡、大船渡東、高田、住田、釜石商工の各高校と、気仙光陵支援学校の進路指導担当教諭らが参加した。
開会行事で職安の中村所長は、今月3日に始まった新規高卒者の求人受け付けが26日現在で84件227人となっていることを紹介。震災以降見られる採用意欲の高さが保たれている中にあって、「一人でも多くの生徒が気仙地区に就職できるよう、相互の理解を深めていただきたい」と呼びかけた。
このあと、各校の担当者が来春卒業予定者の求職動向について説明。各校合わせた卒業予定者は約500人で、現段階ではこのうち約120人が就職を希望しており、その半数近くが気仙地区内での就業を視野に入れているという。
情報交換は2部構成で、はじめは高校が事業所ブースを、次は事業所が高校ブースを訪問する形式で実施。事業所側は募集要項や会社案内、高校側は生徒の希望などについてそれぞれ示し、ふるさと就職に向けて活発に情報を交わし合っていた。
気仙地区内の新規高卒(予定)者は10年前に比べ、おおむね200人減っている。就職希望者の地元定着率は近年60%台と、ふるさと志向の高まりが見られるものの、人数としては60~70人ほど。5月末時点の有効求人倍率は23年度(24年3月卒業者)から2倍超が続き、30年度(31年3月卒業者)は4・46倍という高さだった。
人手不足傾向が続く中、事業所の担当者たちは先輩社員が指導・相談役として新入社員をサポートするメンター制度、リフレッシュ休暇の取得促進といった働きやすい環境もアピール。「技術はあとからついてくる。人柄重視で採用を進めたい」「幸いにして毎年、採用はできている。中には仕方のないケースもあるが、早期離職が課題。対策を講じたい」などと話していた。