著名シェフと地元店〝共演〟 三陸美食サロン・ディナー 気仙でも10日から多彩に

▲ フュージョンディナーの概要をホームページなどで公開

 県と三陸国際ガストロノミー会議2019実行委員会が主催する「三陸美食サロン・フュージョンディナー」は、10日(水)の住田会場を皮切りに、気仙3市町の飲食店などで行われる。県外の著名なシェフが訪れ、各店舗の料理人と力を合わせながら地元食材を活用したコース料理を提供。岩手を舞台とした食の新たな可能性を探るとともに、新たな味わいを楽しむ機会を創出する。

 

 この取り組みは、6月1日に開幕した本県沿岸地域全体を舞台とする総合的な防災復興行事「三陸防災復興プロジェクト2019」の一環。国内外の著名なシェフと岩手のシェフ、さらに地元食材がフュージョン(融合)することで生まれた創作料理を、岩手沿岸部の13市町村のレストランで提供する。
 著名なシェフが各地に訪れる「フュージョンディナー」は、6月13日の山田町を皮切りに、これまで洋野町や大槌町で開催。気仙では今月10日に住田町世田米の「すみたのだいどころkerasse(ケラッセ)」で、19日(金)には大船渡市盛町の「トラットリア ポルコ・ロッソ」、26日(金)には陸前高田市高田町の「和食 味彩」で行われる。時間はケラッセと味彩では午後6時からで、ポルコ・ロッソは同7時から。
 ケラッセには長野県佐久市の料理人・北沢正和さん(69)が訪問する。平成4年に八ヶ岳山麓の山里にある古民家を再生し、そばや創作料理を味わえる「職人館」を開館。地場産食材と職人の技を融合した農家レストランの草分けとして知られる。
 ケラッセも平成28年のオープン以降、世田米商店街沿いの古民家を生かした独特の空間や、地元食材をふんだんに使った料理を提供し、人気を集めてきた。オープン当初から厨房に立つ菅野悠太さん(30)とともに、創作料理をつくり上げる。
 フュージョンディナーの提供価格は1万円で、要予約で先着30人。申し込みはケラッセ(℡22・7828)へ。
 ポルコ・ロッソには、東京都のフランス料理店・北島亭でシェフとして長年活躍してきた大石義一さん(38)が訪れる。味彩に訪れるのは、都内でワインや薬膳中華などを提供する「エッセンス」のオーナーシェフ・薮崎友宏さん(45)。ポルコ・ロッソと味彩では、フュージョンディナーの予約はすでに終了している。
 また、各店舗では順次「美食サロン」と銘打った予約制のディナーも行う。フュージョンディナーとは異なる料金、体系でいずれも地元食材をふんだんに使い、三陸の食の誇りを堪能できるメニューを提供する。
 地元食材の奥深さや、その食材を使って地域に根ざした営業を続ける店舗の魅力を見つめ直す機会になるほか、新たな食の可能性を見いだす機会にもなる。食を通じた情報発信や、交流人口拡大などの面からも注目されている。詳しい内容はホームページ(https://gastronomy-sanriku.com/salon/)で確認できる。