大船渡のPRツールに 共同でブックカバー製作 ネギシとキャッセン あすから配布
令和元年7月12日付 3面

大船渡市の㈲ブックポートネギシ(千葉聖子代表取締役)と㈱キャッセン大船渡(田村滿代表取締役)は、共同でオリジナルブックカバーを考案、製作した。イラストは奥州市出身の漫画家・吉田戦車さんの描き下ろしで、13日(土)から大船渡町のブックポートねぎし本店と猪川町の同猪川店で対象書籍の購入者に無料で配り、大船渡の新たなPRツールとして活用していく。
漫画家・吉田戦車さん協力
ブックポートねぎし本店は、東日本大震災で大船渡町地ノ森にあった店舗が被災。平成29年6月、キャッセン大船渡が大船渡駅周辺地区内で運営するキャッセン・モール&パティオ内に移転オープンした。
オープンから2周年を迎え、ブックポートネギシはキャッセンと共同で、キャッセン大船渡エリア全体の盛り上げを図る取り組みを模索。書店で最も利用頻度が高い備品であり、宣伝効果も期待できるブックカバーに着目し、オリジナルのものを製作することとした。
カバーのイラストは、震災後の復興支援活動にも携わり、キャッセンの臂徹取締役(39)と交流がある吉田さんに依頼。吉田さんは「わたしの絵で良ければ、喜んで協力したい」と快諾したという。
吉田さんは、漫画家として『伝染るんです。』や『ぷりぷり県』『おかゆネコ』など数々の作品を発表。エッセーや絵本なども手がけ、幅広く活躍している。
今回描き下ろしたのは、背中にハート模様があるネコのイラスト。裏表紙から背表紙、表紙にかけて足跡を付けながらやってきたかわいらしい姿を表現した。表紙部分には、吉田さんのサインとブックポートねぎしのマークを配している。
見開きに折り込まれる両袖の部分にも、座ったネコの姿を配置。表紙側の袖には共同した2社のロゴマーク、キャッセン大船渡エリアの地図とアクセス方法の説明を添えている。
イラストや文字の色には、ブックポートネギシのイメージカラーであるグリーンを使用。シンプルなデザインで、世代を超えて愛用できるカバーに仕上がった。
カバーは今後、ブックポートねぎし本店、猪川店で文庫本購入者に配布。両店では8月末まで吉田さんの作品を紹介するフェアを開き、関連書籍を購入した人にもプレゼントする。
本店の木村寛子店長(40)は「普段から利用するお客様にはもっと本を好きになってもらい、遠方からのお客様にはカバーを見て大船渡を思い出してもらえたらうれしい。吉田さんのファンが大船渡を訪ねる機会にもつながり、まちもにぎやかになると思う」と期待。
臂取締役は「キャッセンによるエリアマネジメント事業の一環として協力した。ブックカバーという商業者の既存システムにのっとってPRを図り、エリアの価値を高めていきたい」と話している。