新川口橋 本年度内供用へ 県が災害復旧で架け替え 大船渡市の盛川
令和元年7月13日付 7面
東日本大震災の津波で護岸崩壊や破堤などの被害が出た大船渡市の盛川で、県による災害復旧工事が着々と進んでいる。津波対策として、被災した河口部付近の堤防を従来の約2倍の高さとなるT・P(東京湾平均海面)+7・5㍍までかさ上げ。防潮堤は平成30年度末で完成し、津波防御機能が確保された。現在は盛川にかかる川口橋の架け替え工事を実施しており、本年度内の供用開始を目指してつち音を響かせている。
堤防のかさ上げは完了
盛川は大船渡市内を貫流し、大船渡湾へと注ぐ流域面積12万9000平方㍍、流路延長17㌔の2級河川。被災前河口部両岸には過去の津波対策を踏まえた被害軽減策としてT・P+3・4㍍の堤防が設けられていた。
東日本大震災では、津波が堤防を越えて河口から約4㌔以上遡上(そじょう)。堤防は延長2500㍍以上が破損する被害を受けた。
県は平成23年度内に盛川の災害復旧に事業着手。復旧延長は右岸側が河口部から2346・8㍍、左岸側が同1012・6㍍で、堤防のかさ上げと橋の架け替え工事にかかる総事業費は約115億円となっている。
堤防工事は原型復旧区間とかさ上げ区間に分けられ、かさ上げされるのは右岸が川口橋から佐野橋までの約1㌔、左岸は川口橋より上流の706・9㍍。右岸には堤防から佐野橋への避難路も設けられている。
堤防高は明治三陸大津波を設計対象津波とし、せり上がりを考慮した津波の水位などを算定したうえでT・P+7・5㍍で整備。津波の減水を考慮し、堤防高は上流側に向かってやや低くなっている。
右岸側はT・P+7・5〜6㍍、左岸側はT・P+7・5〜6・7㍍で、右岸側の堤防はそのまま避難路に据え付けられている。工事は30年度内に完了し、津波防護の機能が確保された。
一方、川口橋の架け替え工事では、既設の橋から約20㍍上流側に新しい橋を設置する。川口橋は大船渡町と赤崎町を結ぶ交通の要所で、盛川にかかる橋の中では最下流部に位置。全長は157㍍で、二つの橋脚が橋桁を支えている。
震災による大きな被害はなかったものの、盛川堤防のかさ上げを受け、架け替えが必要となった。新しい橋は既設の橋と同じ鉄製で、全長182・1㍍。堤防のかさ上げに伴い、完成後の橋面高は現在のT・P+6㍍から、最も高い部分では約11・8㍍となる。片側1車線通行で、歩道含む幅員は約11㍍。
橋台や橋脚といった下部工工事、橋りょうなどの上部工工事はすでに終了。現在は、橋の前後で道路との接続部分の地盤改良工事が行われており、完了後に市道との接続や橋面の舗装工事、照明設備の取り付けを進めていく。
本年度内には、市道野々田川口橋線への接続ルートを除き、新川口橋の供用が開始される見通し。野々田川口橋線からの接続ルートについては、令和2年7月末の供用開始を目指している。
県沿岸広域振興局大船渡土木センター復興まちづくり課の阿部忠課長は、「地域の安全安心のため、一日も早く供用開始できるよう取り組んでいく」と話している。





