2019参院選岩手選挙区/岩手選挙区立候補者の訴え

 第25回参議院議員通常選挙の岩手選挙区(改選1)には届け出順に、立憲民主、国民民主、共産、社民の各党が推薦する無所属の新人・横澤高徳氏(47)、自民党公認で公明党推薦の現職・平野達男氏(65)=3期、政治団体「NHKから国民を守る党」の新人・梶谷秀一氏(53)の3氏が立候補。21日(日)の投票に向けて各候補が広げる訴えを、街頭演説などからまとめた。(届け出順)

 

強さと優しさの調和を
横澤 高徳氏(47)
無所属・新
=立民、国民、共産、社民推薦

 

 野党統一候補として、10月からの消費増税中止、地方で暮らし働く人たちの目線でつくられた10の共通政策をしっかりと訴えていく。
 今は何としても、震災からの復興の完遂。ハードの復興は進んでいるが、皆さんの生活をしっかりとサポートしていくことが必要だ。地域で暮らす人たちの声をもとに復興政策を再点検し、誰一人として取り残されない、誰もが住みやすいまち、住みやすい社会を目指した共生型の復興を成し遂げる必要がある。
 老後資金、〝夫婦で2000万円問題〟で不安を抱えている方も多いと思う。10月からは消費税が増税されようとしている。被災地や地方の状況を考えると、今は増税する時期ではない。大切なのは家計を温めることなのではないか。
 地域産業をしっかりと支援していく体制を整えていかねばならない。
 今の政治、政策では人口減少に歯止めがきかない。若い人が減って担い手がいなくなり、地域の文化が次世代に伝わらなくなってしまう。
 若者たちや子育て世代を強力にバックアップしていくため、幼児教育の無償化、義務教育にかかる経費の完全無償化、高等教育の無償化、給付型奨学金制度の拡充など、国民みんなで支えていく政策が必要。
 25歳の時、突然の事故で車いすの生活になり、見える景色が一変した。たくさんの人に支えられ、スポーツを通してパラリンピック出場という夢を持たせていただき、再び生きる力を取り戻すことができた。
 上から目線の政治ではなく、生活者や働く人の目線、そして車いすから見える景色が必要。強くなくては生きていけないが、優しくなくては人を幸せにできない。強さと優しさのバランスのとれた日本をこの岩手から一緒につくっていこう。

 

1次産業や企業を強く
平野 達男氏(65)
自民・現
=公明推薦

 

 平和を維持し、持続的に経済を成長させ、安定した国民生活を実現することが政治の使命。そのためには、変化を見据えた改革を不断にやりながら、確かな道を切り開いていかねばならない。
 3期18年、国政で仕事をさせてもらった間、常に心にあったのは、国をどうするか、古里のために何ができるかだ。
 岩手の農林水産業は大きな可能性を秘めているが、十分に引き出されていない。努力と工夫次第で、もっともっと伸びる。そのための工夫に、引き続き取り組ませていただきたい。
 大企業は第4次産業革命と例えられる革新的な技術を取り入れ、中小・小規模企業との生産性の格差が広がっている。強い中小・小規模企業をつくる対策にも取り組みたい。
 復興大臣として沿岸を歩き、「海に何もかも持っていかれたが、海から取り返すしかない」という漁業者の力強い声に勇気をもらい、支援に努めてきた。復興はだいぶ進んだが、まだこれから。引き続き最前線に立たせてもらいたい。
 年金医療介護制度の設計当初に比べて健康寿命が延びて負担も増えた一方で、生産年齢人口は減った。負担と給付が大事であり、消費税を10%に上げさせていただき、誰もが安心して信頼できる制度の構築に取り組みたい。
 国際リニアコライダー誘致は、この1年半で方向性が決まる。県の国会議員全員で手を組んで臨み、ぜひ、この岩手での建設を実現させたい。
 今回は政治の安定性を問う選挙であるとともに、岩手の政治の流れを変える選挙でもある。自公政権で引き続き安定した政治を、という意志を示していただきたい。
 令和という新しい時代、そして未来を見つめ、郷土を愛し、誇りとしながら、全力で取り組む。

 

公共放送に一石投じる
梶谷 秀一氏(53)
NHKから国民を守る党・新

 

 今のNHKのあり方に一石を投じたい。昭和25年にできた放送法には、「あまねく日本国中に協会の電波を届け」、とある。当時は戦後間もなく、民放もなく、情報を正確に伝えるために広く国民から受信料を徴収し、放送網を整備する必要があった。
 しかし、現代の情報収集源はインターネットとなり、テレビそのものの存在意義すら問われるようになっている。NHKのネット同時配信が認められ、ネット環境があるだけで受信料を請求されるようになっては理不尽だ。
 公共放送としてのNHKは、すでにその役割を終えている。なぜ、娯楽番組をやるのか。視聴率を追求する機関ではないはず。本来の報道、福祉、子ども向け番組に特化した公共放送に戻す。
 われわれは全国に41人の候補を擁立した。NHK放送のスクランブル化を実現することを目的としたワンイシューの党だ。スクランブル化が実現できたら、解党となる見込み。
 企業、個人からの一切の献金を受けない政治団体として、政党助成法上の政党要件を満たすためだけに、この岩手選挙区に立候補した。当選はできないだろうと考えている。選挙運動はネットを駆使する。ぜひ、ユーチューブ(動画配信サイト)を見てほしい。
 NHKを見ている人は受信料を払っていただければいいが、見ていない人の権利も守られるべきではないか。受信料制度のあり方が現代の考え方とずれているのではないか。B─CASカードが採用されてデジタル放送化されており、スクランブルは容易にできる。
 2014年、新聞報道でNHKのスクランブル放送化を求めている人が88%にのぼっているとあった。考えが違っている国会議員は、国民から声を聞いた方がいい。