学びやに〝ありがとう〟 来月移転の高田小 現校舎への「感謝の会」 陸前高田

▲ 夏休み中に気をつけることなどを確認する児童ら

 来月、陸前高田市高田町の高田地区高台⑤(高寿園北側)に整備された新校舎に移転する高田小学校(菅野義則校長、児童171人)は22日、現校舎では最後となる終業式と、それに併せて「校舎への感謝の会」を開いた。児童たちが、多くの思い出が詰まった学びやに感謝し、新校舎でも充実した日々を送る決意を新たにした。

 

 本年度で創立146年を迎える同校は、明治35年から現在の場所に校舎を構えており、平成23年に発生した東日本大震災の津波で被災。校舎の1階部分が浸水し、プールは全壊するなどの被害を受けた。その後は、校舎を清掃・修理し、同じ場所で学校生活を送っている。
 現校舎は被災市街地復興土地区画整理事業区域内にあり、同事業の道路建設予定地の支障物件であることから、国からの移転補償を受けて高台部へ移されることになった。新校舎は、元の位置からおよそ500㍍北側、海岸部からは直線距離で約1・5㌔離れた場所に建設。県立高田病院や、市保健福祉総合センターに隣接し、南側に高田松原を望む。
 この日は、現校舎で最後の1学期終業式が行われ、児童たちが1学期の学校生活を振り返るとともに、夏休み中に気をつけなければならないことなどを確認。1、3、5年生の代表者が「1学期の思い出と2学期に頑張りたいこと」の作文を発表し、2学期に元気に再会することを誓いながら、夏休みと2学期から始まる新校舎での学校生活に心を弾ませていた。
 終業式後に行われた「校舎への感謝の会」には、全校児童のほか、来賓や地域住民、保護者など約50人が出席。
 菅野校長が「たくさんの思い出のあるこの校舎とも今日でお別れ。高田小学校の建学の精神をつなぎ、多くの人に喜ばれ、親しまれる学校にしていきたい」とあいさつ。
 次いで、全校児童を代表して児童会長の菅野璃子さん(6年)が「思い出がいっぱい詰まったこの校舎は、私たちの宝物。高田小学校の新しい時代が始まるが、私たちを支えてくださる方々への感謝の気持ちを大切にしながら、新しい校舎で笑顔と元気をつないでいきたい」と新たな学校生活に期待を込めた。
 このあと、全校児童がステージに整列し、現校舎と地域への感謝のメッセージを発表。「校舎はなくなるが、思い出は色あせない」「私たちの学校生活を見守ってくれてありがとう」などと現校舎に感謝を伝え、校歌と『ふるさと』を合唱した。
 菅野さんは「ずっとこの校舎で過ごしてきたので寂しい気持ちもあるが、新校舎に移っても、この校舎で学んだことを忘れず、元気に学校生活を送っていきたい」と、話していた。
 気仙地区の終業式は、26日までに全ての小中学校で行われる予定。
 同校では、来月20日に2学期の始業式を行うこととしている。