〝直線道路〟で道中踊り チャオチャオに520人 陸前高田(別写真あり)

▲ 七夕ロードを市民らがゆかたやそろいのTシャツで練り歩いた

白井貴子さんも出演

 

 陸前高田市の夏の前半を彩る恒例イベント「チャオチャオ陸前高田道中おどり」(市観光物産協会主催)は27日夕、高田町の市街地で開かれた。平成29年に復活開催してから初めて、アバッセたかた前の直線道路を利用して踊られ、東日本大震災前に同町の駅前商店街でイベントが行われていた時の様子を再現。500人以上の踊り手が、通称「七夕ロード」を平行に練り歩いた。この日はシンガー・ソングライターの白井貴子さんも出演し、奇跡の一本松をモチーフに作詞・作曲された『松の花音頭』を歌い上げ、まつりを盛り上げた。
 開会行事では、市観光物産協会の金野靖彦会長が「この市街地にも町並みがそろい始め、チャオチャオも復活後3年目を迎えた。歴史を受け継ぎながら、新しい歴史をまたつくっていこう。まずは輪になり、腕を高く掲げ、明日の勇気と元気のために踊りゃすぺ」とあいさつ。白井さんも「新しいまちがどんどんできてきていて、涙せずにはいられない。きょうは歌って踊って元気になろう」と呼びかけた。
 今年は市内から13団体、約520人が出演。事業所や各種団体のほか、町内の災害公営住宅自治会、仮設住宅時代の仲間たち、高台移転先のグループなど、東日本大震災後に育まれた新しいコミュニティー単位での参加も見られた。
 また、東京都の新北斗警備保障㈱の新入社員らが、研修の一環でボランティア参加。整列補助として団体名の書かれた札を持ち、グループの先導役を務めた。
 参加者は『チャオチャオ陸前高田』『高田音頭』『寄さこい見さこい陸前高田』の3曲に合わせて道中をかっ歩。第1部と第2部の間には、白井さんが『あの素晴らしい愛をもう一度』と、震災後に制作した『松の花音頭』を披露したほか、市内の女性団体などが『陸前高田・しあわせ音頭』と『陸前高田の松の木』、昭和55年に発売された『陸前盆踊り唄』を踊った。
 『チャオチャオ陸前高田』は平成7年、市制施行40周年を記念して制作されたイメージソング。道中おどりは8年にスタートし、JR陸前高田駅前の通りをメーン会場に実施されてきた。震災前には2000人規模の踊り手が繰り出す、同市の〝夏前半〟の一大イベントだった。
 催しは3年前に新市街地で再開。昨年までは「まちなか広場」を回遊する形で行われていたが、市民から「駅前通りで踊っていた昔のような形にできたら」という声があり、9年ぶりに〝直線〟で踊られた。