2019陸前高田市議選/競争選への突入が確実に 告示まで1カ月切る

 9月10日(火)の任期満了に伴う陸前高田市議選(定数18)は、9月1日(日)の告示まで1カ月を切った。これまでに現職1人が勇退を表明し、1人が病気療養中のため立候補は難しい状況とみられるが、残る現職のほとんどは出馬の意思を示している。現時点で新人は、6月に発足した政治団体「改革たかた」の会員6人を含む8人が名乗りを上げており、なお出馬へ向けた動きもあることから、定数を大きく超える選挙戦となることが予想される。

 

新人は8人が出馬表明 定数大きく超える情勢

 

 新人はこれまでに、今期限りでの勇退を表明した現職の三井俊介氏(30)=広田町・1期=の後継として1人、改革たかたが推薦する6人、今年2月の市議補選にも立候補した1人が名乗りを上げた。いずれも政治経験はなく、フレッシュさを前面に押し出す。
 現職18人のうち、菅原悟氏(56)=米崎町・3期=は療養中のため、今回の出馬は断念するものとみられる。菅野稔氏(73)=気仙町・4期=は自身の進退について明言していないが、仮に菅野氏を含め残りの現職16人が全員立候補したとすると、現段階ですでに定数を6人上回っていることになる。
 新人の出馬に関してはまだ複数の名前が取りざたされており、改革たかたも「あと1人か2人は候補者を推薦したい」としていることから、さらに増える可能性もある。今月6日(火)午後1時30分から市役所で開かれる立候補予定者説明会への出席者数や顔ぶれも注目される。
 今市議選は、昭和30年の市制施行以来通算17回目。これまで候補者数が定数を下回ったことはなく、すべて競争選挙となっている。前回選は定数を1人上回る19人が立候補し、現職12人、新人5人、元職1人が当選。新人1人が落選した。 
 これにより、それまで1人だった女性議員が2人となった。次期市議選に立候補を表明している女性は現新合わせて5人で、過去最多となる見通し。
 投開票日は知事選、県議選と同じ9月8日(日)。出馬予定の現職や新人陣営はすでに後援会活動を活発化させており、地域内であいさつ回りを行うなど、着々と支持基盤固めを進める。
 現職はこれまでの実績を説明しながら訴えを広げていく構え。新人は、現職との違いや、これからの復興まちづくりに寄与するようなマニフェストを示せるかといった点に関心が集まる。
 今回、6人の新人を推薦した改革たかたは、今年2月に行われた陸前高田市長選挙をきっかけとした市政への関心の高まりを受けて発足。「市民参加による住民自治」を掲げて議会の活性化などを訴えており、推薦した新人らとの連携した活動も見据える。
 6月1日時点の有権者数は1万6770人で、前回選より316人少ない。東日本大震災での被災により、仮設住宅などで暮らしていた人たちがこの4年の間に住宅再建を果たしたことなどから、仮設団地が多数整備された竹駒町や横田町の居住者が減少。高田町や気仙町の人口が増加傾向にある。
 町別に前回選立候補者と今回を比較すると、高田と小友、気仙が1人、米崎と竹駒は2人それぞれ増加。市内で2番目に有権者が少ない竹駒で3人が出馬を予定しているなど、情勢への影響は大きそうだ。一方、広田と矢作は現時点で1人ずつの減となる見通しになっている。
 こうした背景も踏まえ、立候補予定者らが前哨戦からどのように狙いを定め、有権者に訴えを広げていくのかにも注目が集まる。
 各町別の有権者数は別表。勇退表明者ら2人を除く現職と、新人の立候補表明者(町別、五十音順)は次の通り(数字は年齢、丸数字は当選回数)。
 【高田町】
鵜 浦 昌 也 57 無現②
佐々木 一 義 66 無現②
丹 野 紀 雄 76 無現①
松 田 修 一 52 無新
 【気仙町】
大 坂   俊 68 無現②
小 沢 睦 子 63 無新
菅 野   稔 73 無現④
 【広田町】
伊 勢   純 52 共現②
蒲 生   哲 56 無現①
木 村   聡 25 無新
 【小友町】
及 川 修 一 63 無現⑤
佐 藤 善治郎 71 無新
福 田  利喜 61 無現④
 【米崎町】
大 坪 涼 子 71 共現③
大和田 加代子 58 無新
佐々木 隆 志 59 無新
橋 詰   清 52 無新
 【矢作町】
伊 藤 明 彦 64 無現⑤
菅 野   定 64 無現②
藤 倉 泰 治 69 共現④
 【竹駒町】
伊 藤 勇 一 63 無現①
照 井 いくみ 55 無新
中 野 貴 徳 48 無現①
 【横田町】
畠 山 恵美子 48 無現①