全国小規模校サミットで〝らしさ〟存分に発信 独自の取り組みを紹介 住田高校

▲ 住田高校の〝強み〟を発信した生徒たち=山形県小国町

 県立住田高校(菅野誠二校長、生徒90人)の生徒会役員6人が7月30、31の両日、山形県小国町で行われた第2回全国高等学校小規模校サミット(同実行委主催)に参加した。生徒たちは研修会館内に設けられた「住高ハウス○○(まるまる)」や森の保育園ボランティアなど、同校ならではの取り組みを積極的に発信。今後の学校生活への自信を得ていた。

 

 サミットは全国の小規模高校の生徒が交流して親睦を深めるとともに、各学校や地域が抱える課題などについて意見交換し、生徒たちの資質や能力、協働意識を育成しようと昨年から開催。小国町にある山形県立小国高校の生徒たちが中心となって準備や運営を担い、今年は全国18高校の生徒130人余りが参加した。
 住田町教育委員会は昨年度から、住田高の研修会館内に生徒たちが放課後にゆったりと過ごせる「住高ハウス○○」を開設するなど、実情に合った支援策を新たに展開。学校生活への自信につなげてもらおうとサミット参加も呼びかけ、生徒会役員の1、2年生6人が出向くことになった。生徒たちの移動や宿泊費は、同校の特色ある活動を支援する町からの助成が生かされた。
 サミット内での分科会発表では、各校が特色ある学校活動を紹介。住田高生は部活動でアーチェリー部があることや、住高ハウスでの過ごし方、保育園児と一緒に過ごす森の保育園ボランティア、陸前高田市での桜ライン311活動への参加などを伝えた。
 発表した1年の佐々木優弥君は「住高ハウスは本当に便利。バスを待つまでの時間を、勉強だけでなく、さまざまなことに使えるし、地域の人たちとのかかわりや進路相談をできるのも魅力。発表の中に住高の魅力として入れることは、すぐに決まった。アピールすることができて良かった」と振り返る。
 会場では、各校の発表を聞いた生徒たちが感想を記した付せんを貼り出すスペースが設けられ、住田高校にも多くの〝声〟が寄せられた。森の保育園や桜ラインといった独自の校外活動への高い評価に加え、住高ハウスに対しては「とてもうらやましい」「独自性が出ている」といったコメントが寄せられていた。
 サミットではこのほか、各学校の生徒らとともに小規模校の魅力や将来像を考えるワークショップも開催。住田高校生も気さくに他校の生徒らと会話を交わしながら「小規模校だからできること」を考えるとともに、母校の活性化に向けてアイデアを膨らませた。
 2年生の長谷川馨遙さんは「自分だけでは思いつかない学校行事の工夫を聞くことができた。住高と同じように地域とのかかわりを大切にしている高校が多いことも分かったし、私たちができることはもっとあるようにも思った」と話し、充実感をにじませた。
 生徒たちに同行した住田町教委の小宅優美教育コーディネーターは「小さい学校の生徒同士が集まることで、それぞれの良さを確かめ合ったり、良い変化が生まれると思う」と、経験を生かした成長に期待を込めていた。