三陸の海で学び深める 学生らが越喜来で海洋実習 北里大

▲ 崎浜漁港での釣り実習で海の生物と触れた学生ら

 神奈川県相模原市の北里大学海洋生命科学部は現在、大船渡市三陸町越喜来の同学部三陸臨海教育研究センターを拠点に海洋実習を行っている。学生らが研修を通じ、三陸の海にすむ生物や成育環境について学びを深めている。
 北里大は、平成23年の東日本大震災で越喜来の旧三陸キャンパスが被害を受けたあと、同学部と大学院の教育を神奈川県の相模原キャンパスへ移管。26年には、旧三陸キャンパスが三陸臨海教育研究センターと名称を変え、学生の研究、実習の場となっている。
 海洋実習は同年から開始。豊かな生物相を有する三陸の海でフィールドワークを行い、生物を育む環境への理解を深め、実践的な技術を身につけることを目的にしている。
 今年は学生約120人が4グループに分かれ、2日から11日(日)まで順次大船渡を訪問。各グループ2泊3日の日程で、養殖施設の見学やプランクトンの採集、観察などを行っている。
 このうち、7日に大船渡入りした第3グループは、地元越喜来漁協の協力のもと、ホタテ養殖施設の見学、プランクトンの採集などを実施。また、崎浜漁港では釣りの実習も行い、沿岸住民の営みに触れた。
 ホタテの成育状況や、貝殻に付着した生物についてまとめた研修結果は、漁業関係者に発表する場を秋に設ける。ホタテの生存率や多様な生物の関係性など、越喜来湾に的を絞った情報を発信協力者らへ還元する。
 副島晴希さん(19)は「1年経過する前と後のホタテを見させてもらい、成長の早さに驚いた。海の養殖施設を間近で見るのも初めての体験。協力いただいている人たちに貢献できる結果を出せるよう、今後の研修にも臨みたい」と話していた。