2019住田町議選/定数割れへの危機感も 告示まで残り1カ月

▲ 今回も12議席を争う住田町議選。8年ぶりの選挙戦となるか…

 9月17日(火)告示、同22日(日)投開票の住田町議会議員選挙(定数12)まで、残り1カ月に迫った。現職12人のうち、出馬の意向を示しているのは11人で、1人が不出馬の見込み。新人や元職の起意はなく、前回選に続く無投票はおろか、定数割れの可能性もある。地域振興や議会活性化を見据え、なり手不足の状況に危機感を抱く有権者は多いが、具体的な動きには至っていない。今月20日(火)に開かれる候補予定者説明会の出席動向が注目される。

 

新人出馬表明なく推移

 

 9月30日(月)の任期満了に伴う町議選は、昭和30年の町制施行後通算17回目。同8日(日)投開票の知事選・県議選後に行われ、気仙の〝選挙イヤー〟を締めくくる。
 現職の地区別動向をみると、最大票田の世田米(8月6日現在有権者数2800人)では、一昨年の補選で当選した荻原氏、前回選は唯一の新人候補として挑んだ佐々木(初)氏、いずれも現在2期目の菅野(浩)氏、佐々木(信)氏、瀧本氏、4期目で副議長の阿部氏が出馬の見込み。現段階での候補予定者は6人で、前回選と変わらない。
 一方、4期務めた泉田是重氏(74)は不出馬の方針。後継については「身近な人に声をかけているが難しい」としながらも、地元の曙地域など世田米からのさらなる擁立に期待を示す。
 下有住(同641人)では、日本共産党公認の佐々木(春)氏が4選、高橋氏が現職最多の6選を目指す。4年前と同じ顔ぶれとなりそうだが、下有住は有権者が少なく減少が続いており、いずれも厳しい選挙戦を見据えた準備を進める。
 上有住(同1346人)は前回選では4人が当選したが、現段階では議長の菊池氏、五葉地区在住の林﨑氏、8年前の前々回選でトップ当選の村上氏の3人が出馬の構え。町長選出馬に伴い、一昨年に辞職した水野英哉氏(64)は不出馬の構えだが、同氏が地盤としてきた両向地域は長年議員を輩出しており、擁立の動きが進むかが注目される。
 平成27年の前回選は、定数12となって2回目の選挙。現職出馬は11人で、新人は勇退議員の後継として挑んだ1人にとどまり、初の無投票に終わった。
 今町議選でも立候補予定者が定数に満たず、改めて議員のなり手不足が浮き彫りとなった形で、告示1カ月前を迎えた。町内では地域や性別、年代を問わず、幅広い層からの挑戦を望む雰囲気がある一方、表明にはつながっていない。
 これまで議会内では、常任委員会の委員数確保をはじめ、充実した審議や議会活動を望む観点から、定数見直しの議論は活発化しなかった。一方で、最近になって一部の現職からは「定数を見直さなかったのは、今任期の失敗だった」といった声が聞かれる。
 町選挙管理委員会は、20日午後1時30分から町役場町民ホールで立候補予定者説明会を開催。9月10日(火)には、同ホールで事前審査会を予定している。
 今月6日現在の有権者数は4787人(男2333人、女2454人)。前回選告示前日(20歳以上)と比べ、377人少ない。
 地区別の立候補表明者(五十音順)は次の通り(数字は年齢、丸数字は当選回数)。
 【世田米】
阿 部 祐 一66無現④
荻 原   勝60無現①
菅 野 浩 正72無現②
佐々木 信 一58無現②
佐々木 初 雄75無現①
瀧 本 正 德71無現②
 【下有住】
佐々木 春 一66共現③
高 橋   靖63無現⑤
 【上有住】
菊 池   孝72無現④
林 﨑 幸 正68無現④
村 上   薫67無現④