食を通じて友好発展を すみた民泊協と町観光協会 ベトナムの実習生と交流会 住田(別写真あり)
令和元年8月22日付 2面
住田町のすみた民泊協会(紺野昭雄会長)と同町観光協会(泉田静夫会長)が主催する初の「住田フーズベトナム人技能実習生交流会」は21日、世田米の町保健福祉センターで開かれた。地元食材を生かした調理などを通じて笑顔を交わしながら、今後の交流拡大を誓い合った。
住田フーズで働く技能実習生は、今月時点で57人。町の外国人登録者は先月集計分で100人となっており、同町は県内でも外国人が占める割合がトップクラスにある。
訪日外国人の増加を見据えた「おもてなし」の充実などに力を入れる両協会では、町内で生活する実習生らと親睦を深めながら活性化へのヒントを得ようと企画。ベトナムからの実習生10人に加え、両協会や町の関係者ら10人余りが参加した。
前半は4グループに分かれ、ちらしずしなどの調理に挑戦。実習生は、錦糸卵をはじめ、和食の基礎も学びながら手を動かした。
引き続き、寮生活でもよくつくるというベトナム料理のフォーを調理。豚の軟骨やトマトなどを生かしたスープに、住田フーズで加工した鶏肉やモヤシ、ネギなどを添えた。
フォーの麺は米を原料としているほか、豚肉や鶏肉をはじめ各種食材は地元で調達できることから、民泊協会の関係者は住田の新たな食文化につなげようと熱心に見学。会食では、食材そのもののおいしさを生かした味わいが好評を博した。
その後は、実習生が日常会話で使うベトナム語を伝えたり、住田の魅力を学ぶ時間も。両協会の関係者は普段、通りすがりに研修生を見かけることがあっても会話を交わす機会は少ないといい、次回以降の開催を望む声も寄せられた。
実習3年目のドァン・ティ・ホアさん(22)は「料理を一緒につくったり、食べながら住田のことを教えてもらったりできてうれしかった。もっと多くの人たちに、このような交流の場を楽しんでほしい」と話していた。
民泊協会事務局の小向はるかさん(36)は「和気あいあいとした時間を過ごすことができて良かった。せっかく顔なじみになったので、町内で会った時は声をかけ合ってほしいし、形を変えながらでも交流の場を設けていくことができれば」と語り、今後の友好発展に期待を込めていた。