復興支援のつながり生かし 地域の暮らしに学ぶ いわてGINGA―NET 住田(別写真あり)

▲ そば打ち体験を通じて交流を深める岩手県立大生たち

 特定非営利活動法人いわてGINGA―NET(盛岡市、川原直也代表)の「いわてフィールドワーク・ラーニング2019夏期プログラム」は22日、住田町でのホームステイが始まった。東日本大震災以降の復興支援活動で育んだ縁を生かした活動で、岩手県立大生7人が参加。2泊3日の民泊滞在で地域に溶け込みながら生活文化を体験するとともに、地域の暮らしに理解を深める。

 

県立大生が民泊滞在

 

 同法人は平成23年から、東日本大震災復興支援プロジェクトを展開し、五葉地区公民館を拠点としてきた。これまで延べ1万6000人の学生が参加し、仮設住宅団地のコミュニティー支援をはじめ、マンパワーを生かした活動を展開した。
 本年度は、復興支援活動で得た経験や地域の歴史、文化を継承しながら、地域の活気づくりにつながる人材育成を目指し、住田を拠点とした体験・学びのプログラムを企画。同大学による岩手創造学習のフィールドワークにも位置づけられた。
 住田でのホームステイは、すみた民泊協会(紺野昭雄会長)が受け入れ、学生たちは町内3家族に分かれて過ごす。同日は五葉地区で各家族が出迎え、体験活動が行われた。
 このうち、下有住地区の住民宅に滞在する大学生4人は、同地区公民館でそば打ちに挑戦。地区内で収穫されたそば粉をこね、麺に仕上げるまでの手作業に励んだ。学生たちは指導役を務めた公民館関係者らと積極的に会話を交わし、地域の実情や生活習慣なども聞き取った。
 看護学部4年の川原千晶さん(22)=矢巾町出身=は、1年生時からGINGA―NETが住田で行ってきた活動に参加。「1年生の時から活動はどれも楽しくて、今年も必ず来たいと思っていた」と語る。
 大学卒業後は県内で看護師の道に進むといい「地域の暮らしや、高齢者とのかかわりなどを学び取ることができれば」と、住民交流にも意欲を見せる。
 川原代表(23)は「今後も復興支援は大事だが、地域文化や暮らしの学びも重要。災害支援では、日常の暮らしを知ることも大切。今まで関わりがある住田の素晴らしい環境の中で、住民の日常のにふれてもらいたい」と話す。
 ホームステイ先での活動は、24日(土)まで。同日は五葉地区住民との交流会も計画されている。