新展開のヒント探る 分子調理器貸し出しも 唐揚げ試食検討会 住田

▲ 分子調理器を付けた業務用フライヤーで唐揚げを調理

 住田町観光協会(泉田静夫会長)主催の唐揚げ試食検討会は26日、世田米の松嶋家で行われた。参加者は地元産の鶏ハラミや豚肉「ありすぽーく」を使った唐揚げなどを試食したほか、全国的に注目を集める最新分子調理器を使った時の仕上がり具合などを確認。地元産の食肉を生かした活性化を見据え、唐揚げを生かした新たな展開へのヒントを探った。
 町の基幹産業である農業のうち、鶏肉をはじめとした畜産が産出額の90%超を占める。地元食材を生かした観光資源の創出や、もてなしの充実が求められている。協会では町の支援を受けながら、鶏肉を生かした取り組みを模索している。
 これまでは地元飲食店が唐揚げ料理を持ち寄った形で検討や試食会を開き、今回の検討会は町外の商品や新たな取り組みにも目を向けようと企画。町内の飲食店や町関係者ら約10人が参加した。
 町外で人気を集める唐揚げ商品を試食し、味の工夫や衣の食感、冷めた時の風味などを把握。町特産品の鶏ハラミの唐揚げは、独特の食感が生きるとして、好評を集めた。
 さらに厨房では、分子調理器「ドクターフライ」を取り付けた業務用フライヤーで唐揚げを調理。フライヤーの油槽に電波振動を生み出す電極パネルを設置するもので、大規模な改修を必要とせず、注目を集めている。 
 設置により、水分が油中に溶け出るのを防ぐ効果があるという。試食では「ジューシーに仕上がっている」「みずみずしい」といった声が相次いだ。
 観光協会ではこの調理器1台を確保し、希望する町内の飲食店事業者に2週間程度貸し出す方針。当面は松嶋家に置かれ、揚げもののメニューなどに生かされる。
 さらに協会では、おいしく仕上がる唐揚げのコツを改めて確認しようと、9月26日(木)午後3時から、保健福祉センターで町内飲食店事業者向けの調理講習会を開催。講師には、北日本ハイテクニカルクッキングカレッジ=盛岡市=でレストラン主任を務める竹本三夫氏を招く。