「保護者から意見聞きたい」 一般質問2日目 中学校のあり方で当局答弁 住田町議会

▲ 2日目の一般質問には3議員が登壇

 住田町議会9月定例会は30日、前日に続き通告に基づく一般質問が行われ、佐々木信一(無所属)村上薫(同)佐々木初雄(同)の3議員が登壇した。少子化が続く中、今後の中学校のあり方について問われた当局は「統合ありきではない」としながらも、保護者らから意見を聞くなどして第9次教育基本振興計画の期間内である令和4年度までに方向性を固めたい意向を示した。
 学校統合を含めた教育環境の整備について質問したのは、佐々木信議員。町内は小中学校とも2校体制となっているが「生徒数減少により、学校行事や部活動などに影響が出てきている。中学校の統合を考える時期に来ている」と指摘し、当局の見解を質した。
 菊池宏教育長はこれまで開催した教育懇談会や住民懇談会で少子化の進行を示したものの、住民から寄せられた意見は少なかったと報告。そのうえで「まずは保護者が集まる機会をとらえて意見を聞き、教育基本振興計画内には道筋をつけたい」と述べた。
 一方で「統合ありきの議論ではない。町としてさまざまな選択肢があり、どういった方向性がいちばん良いのかを議論していきたい」とも答弁。中学校よりも少子化の影響を早く受ける小学校も含め、長期的な視点に立って学校運営を進める必要性を掲げたほか、通学方法など考慮しなければならない検討事項にも言及した。
 村上議員はILC(国際リニアコライダー)実現と地元木材産業、建設業の振興について質問。「東日本大震災時に町の事前の応急仮設戸建木造住宅の研究・開発が生かされ、後方支援の町・森林林業の町として全国から大いなる評価を受けた。その実績をふまえ、ILC関連研究者用木材住宅の研究開発を進め、木材産業や建設業の振興を図るべき」と迫った。
 神田謙一町長は、ILC誘致実現に向けては気仙広域で連携を取りながら進める重要性などに言及したうえで、連携の中でも町の強みである木材産業分野が生かされるとの考えを強調。「今後も広域連携の中で情報収集に努め、さらには町の強みである林業を生かした公共施設や戸建住宅建築の取り組みを発信し、関係団体と情報共有しながら動向を注視していきたい」と語った。
 佐々木初議員は町の行財政のうち人件費比率を取り上げ、平成30年度決算では歳出合計46億9318万円のうち、人件費の占める割合が19%を超えていると指摘。28年度決算では18・9%で県内市町村の中では最も高かったとし、その要因や職員定数の現状について見解を求めた。
 神田町長は、平成20年には20%を超えたが、25年は14%台だったとし「毎年伸び続けている状況ではない。歳出規模によって増減している」と答弁。現在の職員数は103人で適正化計画の範囲内であるとし、理解を求めた。
 再質問で同議員は、人口減少が続く中での職員規模の見通しに関しても追及。熊谷公男総務課長は近年の保育ニーズへの対応や復興支援業務などを挙げながら「一概に人を減らすのが良いというのではなく、どういう行政を進めるのかという視点に立って適正化を図っていかなければならない」と述べた。
 一般質問終了後は、当局報告の30年度健全化判断比率及び資金不足比率を確認。認定案件である30年度の各種会計決算認定審議は、決算審査特別委員会(議長を除く全11議員で構成、委員長・林﨑幸正議員)に付託された。