住田高校に「県外枠」 来年度から4人を募集

▲ 気仙では唯一県外志願者を受け入れることになった住田高校

地域連携・活性化見据え


 県教委は来年度から、県立住田高校(菅野誠二校長、生徒90人)で県外在住の生徒を受け入れる。同校の普通科定員40人のうち、1割にあたる4人を募集。同校は町と連携しながら地域資源を生かした特色ある教育活動を展開しており、地域活性化を支える人材育成などにつなげることにしている。
 県外からの志願者受け入れは、地域との連携・協働によって未来を切り開く人材を広く育成しようと、本年度受験する現中学3年生の志願者から行う。県内では住田のほかに、平舘(普通科、家政科学科)、遠野(普通科)、遠野緑峰(生産技術科、情報処理科)、大槌(普通科)の各高校で実施する。
 各校とも、特定の部活動への参加を条件とする受け入れは行わない。開始から3年ごとに、県教委と各校で継続するかどうかの協議を行うことにしている。
 住田は、地域人材の育成やふるさと振興の観点から、学校と地域が連携する体制が整っている学科があるとして選ばれた。同校は平成30年度から、町内小中学校とともに文部科学省の研究開発学校指定を受け、独自教科「地域創造学」の実践を行ってきた。
 また、町教委による町内保育園児を中心とした種山での「森の保育園活動」には、生徒たちがボランティアで参加。毎年行っている「地域文化選択講座」では産業や伝統技術などを学ぶとともに、町内の中学3年生とも交流を深める。
 さらに、同校研修会館内には昨年度から、町教委が「住高ハウス○○」を開設。自学自習の場としてだけでなく、幅広い世代の町内在住者らとの交流機会創出にもつながっている。 
 県外からの志願者も、一般入試を受ける。入学後は、県内出身の生徒とすべて同じ授業カリキュラムや学校生活とし、給食の無料提供や通学費補助も受けられる。居住環境に関しては、下宿先を紹介することにしている。
 志願者と保護者には事前に学校を見学し、入学後の学習環境や居住環境について説明を受けるよう求める。同校ホームページで、県外志願者の受け入れに関する要項を紹介している。
 同校では「地域創造学やボランティア活動などに積極的に取り組むことで、地域の魅力を深く理解し、地域社会の活性化に貢献する意欲を持つ生徒を育て、学校や地域の活性化を図りたい」としている。