継続支援ありがとう 下矢作住民が感謝伝える 鳥取の「ぎんりんグループ」に 陸前高田(別写真あり)

▲ 感謝状贈呈後、佐藤会長(手前)と握手し笑顔の村上代表

豪華な料理を堪能する住民ら

 鳥取県で飲食店を展開する「ぎんりんグループ」(村上亜由美代表取締役)は1日、陸前高田市矢作町の下矢作地区コミュニティセンターで、鳥取県産の和牛や海の幸の料理を振る舞った。東日本大震災後、継続して同地区を支援しており、豪華な料理の提供は今回で30回目。地元側は被災地を忘れない同グループに感謝状を贈り、にぎやかに交流した。

 

豪華料理振る舞い30回

 

 「30回記念ぎんりんさんありがとう親睦会」と銘打った交流会は、下矢作地区コミュニティ推進協議会(佐藤信一会長)が主催。震災直後にコミセンに開設された避難所で生活した被災者や住民ら84人が集まった。
 テーブルには、一人一人にバーベキューセットや刺し身が用意され、土産としてうな丼も。会場には食欲をそそる焼き肉の香りが立ちこめ、参加者はおいしく味わいながら歓談した。
 佐藤会長は、村上代表らスタッフ7人に感謝状と花束を贈呈。余興では、下矢作で42年ぶりに復活し、今年5年目を迎えた灯篭七夕の太鼓演奏やカラオケ大会があり、ひときわ盛り上がりを見せた。
 乾杯の音頭を取った同協議会の村上誠治前会長は「毎回、大変豪華な料理が用意される。ずっと支援を続けてもらい、言葉では言い表せないほどの気持ち」と感謝する。
 ぎんりんグループは、食を通じた地域貢献活動に力を入れている。震災発生後、すぐに東北の被災地を訪れ、炊き出し支援を展開。その中で下矢作地区との縁が生まれた。
 以来、同地区コミセンの避難所を継続して訪れ、旬の料理を提供。避難者が各地の仮設住宅で新たな生活を始めたあとも、「散り散りとなった人たちが集まり交流する〝同窓会〟のような場を」と、コミセンを会場に料理を振る舞う活動を続けてきた。
 同グループの応援への恩返しをと、地区住民もこれまでに2度鳥取県を訪問。平成28年に鳥取中部地震が発生した際には、同グループに寄付金を贈った。
 こうした両者の強固なつながりを端緒に、新たな動きも。今月22日に本格開業する新しい道の駅「高田松原」には、同グループが手がける「すなば珈琲」のコーヒー店も開設されることが決まった。
 感謝状贈呈の時に目に涙を浮かべた村上代表は「支援を目的にお邪魔したのは、はじめのころだけ。下矢作の方々とのつながりに、逆に励まされています」と語った。
 また「道の駅にうちの店が入ることとなり、大勢の観光客に『陸前高田は遠方のさまざまな地域とつながっている素晴らしいまちなんだ』ということを伝えられれば。復興していく陸前高田をこれからも見守りたい」と笑みを浮かべた。
 佐藤会長は「下矢作のことをこんなにも思ってくれている方々を、決して忘れてはならない。感謝してもしきれません」と話した。