復興への歩みを実感 整備進む主要道を見学 赤崎中1年生 大船渡(別写真あり)

▲ 道路の整備状況について工事関係者から説明を受ける生徒ら

 大船渡市の赤崎中学校(菅生裕之校長、生徒66人)の1年生21人は4日、赤崎町内で整備が進められている主要地方道大船渡綾里三陸線(県道9号)を見学した。現場に足を運んだ生徒らは、関係者から工事の内容や進ちょく状況を聞き、自分たちのまちに新しく生まれる道路から復興への歩みを実感した様子だった。

 

工事関係者が状況説明

 

 主要地方道整備は、既存県道の浸水回避を図ろうと同町跡浜─永浜間(総延長4・1㌔)で進められているもので、県がまちづくり連携道路整備事業の一環で実施。高台に移転した赤崎小、中学校や住宅地の新たなまちづくりと連携し、平成24年度から行われている。
 工事現場の見学は、赤崎中が総合的な学習の一環で企画。地元の企業や風土、文化などについて学びを深めることが目的で、工事に携わる亘理建設㈱、㈱小松組、㈱佐賀組の3社と県が協力した。
 この日の見学場所は、大洞地区で整備されているトンネルと、切り土や盛り土の工事が進む大立地区、新旧道路の接続が予定されている永浜地区の3カ所。バスで移動し、県大船渡土木センターの職員や工事を担当する企業関係者から説明を受けた。
 このうち、赤崎グラウンド付近のトンネルは、内側を市道が通り、上部は新しい県道が通る。小松組の作業員らが、トンネルを支える地面の下に多くのコンクリートが敷かれていることや、盛り土、地盤改良などさまざまな工事が行われていることを解説した。
 一方、永浜地区では亘理建設の作業員が対応。現在使われている道路と新しくできる道路が接続する位置を確認したほか、測量や重機の操作体験、コンクリート廃材を再利用するための破砕施設の見学なども行った。
 佐藤千秋君(1年)は「工事現場を見て、だんだんと復興が進んでいるんだということを実感できた。道路が完成するのがすごく楽しみ」と期待に胸を膨らませていた。
 道路整備は現在、令和2年度末までの完成を目指し進められている。
 3年春には、赤崎、綾里両中学校が統合し、新校の生徒が高台の現赤崎中校舎に通うことが決まっている。新しい道路は小中学校や保育園、地区公民館、駐在所、高台移転した住宅地とつながっており、住民の安全確保へ期待がかかる。
 亘理建設の亘理宏喜代表取締役は「見学した中学生たちには、当たり前に使っている道路がどのように造られているのかを知り、大きく成長してほしい。私たちも、将来のみなさんが使う生活道の早期完成を目指しつつ、安全第一に工事を進めていきたい」と話していた。