総戸数は前年から半減 陸前高田は大幅な〝反動減〟 元年上半期 気仙の新設住宅着工動向
令和元年9月13日付 3面
気仙3市町の今年上半期の新設住宅着工戸数が、国土交通省の発表で明らかになった。気仙全体の総着工戸数は前年同期比54・9%(167戸)減の137戸とほぼ半減した。持家・一戸建に限ると、同39・1%(84戸)減の131戸。市町別では陸前高田市が大幅に減少。昨年は土地区画整理事業の進展に伴って持家・一戸建を中心とした着工も大きな伸びを見せており、その〝反動減〟とみられる。
国交省が発表した平成31・令和元年1〜6月の新設住宅着工戸数によると、気仙3市町の総着工戸数は、大船渡市が前年同期比34・4%(31戸)減の59戸、陸前高田市が同63・0%(131戸)減の77戸、住田町が同83・3%(5戸)減の1戸だった。このうち、持家・一戸建は大船渡市が同26・4%(19戸)減の53戸、陸前高田市が同43・8%(60戸)減の77戸、住田町が同83・3%(5戸)減の1戸。
上半期の着工戸数が2年ぶりに100戸を割り込んだ陸前高田市は、区画整理事業の高台部整備が進み、昨年度末までに高田、今泉両地区の宅地がほぼ全て引き渡されている。高台部での住宅建設は昨年に集中したとみられ、これら宅地での住宅着工が少なくなったことが大幅減の要因とみられる。また、昨年上半期に48戸あった貸家の着工がゼロだったことも、着工減に拍車をかけた。
大船渡市は、既に防災集団移転促進事業の住宅団地整備が全て完了するなど、需要増の材料は少なく、着工戸数は先細りつつある。持家・一戸建が2〜4月の3カ月連続で10戸台を割り込み、その他の月も10戸がやっと。持家・一戸建以外は貸家・長屋建と分譲・一戸建がそれぞれ3戸着工したのみ。住田町は2月に持家・一戸建が1戸着工したのみと厳しい状況だ。
なお、10月に予定されている消費税率の10%への引き上げにあたっては、今年3月31日までに住宅会社と工事請負契約などを結び、9月30日までに着工していれば、引き渡し時期が10月以降になっても旧税率(8%)が適用される「経過措置」が講じられており、気仙でも第3四半期(7〜9月)に着工が伸びる可能性はある。
県全体の着工戸数は前年同期比2・7%減の3876戸。沿岸被災地では同27・4%増となった久慈市を除き、いずれも前年同期を20%以上下回る状況が続いている。