道の駅「高田松原」落成 きょうからプレオープン 陸前高田(別写真あり)

▲ 道の駅「高田松原」は15〜20日にプレオープンし、22日に本開業

落成を記念し関係者らが施設入り口前でテープカット

 高田松原津波復興祈念公園内に整備された陸前高田市の地域振興施設・道の駅「高田松原」の落成式は14日、現地で行われた。15日〜20日(金)にはプレオープンを行い、地元住民らが一足早く買い物や飲食を楽しめるようにする。22日(日)の本開業日には東日本大震災津波伝承館(いわてTSUNAMIメモリアル)や国営追悼・祈念施設といった公園内の一部が、道の駅と併せて供用開始となる。

 

復興祈念公園内に整備

22日に津波伝承館など開業

 

 落成式典には市、県、国と工事関係者ら約100人が出席。東日本大震災によって町内会解散を余儀なくされたあとも、地区住民が「絆の会」として保存伝承している気仙町の郷土芸能「仲町虎舞」がオープニングを飾り、勇ましい虎の演舞で落成を祝った。
 主催者である陸前高田市の戸羽太市長は8年半前の大震災を振り返り、「感無量。陸前高田へにぎわいをつくり出すために、この道の駅に大きく羽ばたいてもらい、三陸地域への玄関口としての役割を果たしたい」とあいさつした。
 また、同駅の指定管理者である㈱高田松原の熊谷正文社長が「『すべてのひとに〝笑顔〟と〝感動〟を!』をコンセプトに、事業者の皆さまと連携し、創意工夫を図りながらにぎわいの空間をつくっていく」と述べ、出店事業者らも意気込みを語った。
 道の駅「高田松原」は、平成3年度に高田町の国道45号沿いに整備した総合観光案内所「タピック45」を、同5年度に本県初の道の駅として登録した施設。14年にはタピック西側に「高田松原物産館」ができ、地元産の農林水産物販売とレストラン、軽食堂、パン工房など市内7店舗が入居していたが、23年の大津波で被災した。
 新「高田松原」は27年1月、国土交通省が「重点道の駅」に選定。震災遺構として残るタピックを生かしながら、震災伝承・地域復興の核として発展的に再生を図り、震災の実情や教訓を国内外に発信する役割、産業活性化への寄与、三陸観光の玄関口としての機能を期待し、復興祈念公園内に建設された。
 22日には、道の駅と同じ建物内に県が整備した津波伝承館、復興祈念公園内の「海を望む場」を含む国営・追悼祈念施設の一部などが同時オープンする。
 道の駅内には高田松原の直営店舗として、飲食店「たかたのごはん」と「すなば珈琲」、農産物直売と土産販売コーナーなどのほか、広田湾漁協と市水産加工業連絡協議会の共同運営による水産振興店舗「まつばら食堂」があり、15日から20日までのプレオープンの際も利用できる。営業時間は午前11時から午後3時まで。22日の本開業に備え、21日(土)は開放しない。
 また、18日(水)の午前11時からは同施設従業員と津波伝承館、来客を含めた避難訓練を実施する。訓練中は施設を閉鎖するため、買い物や飲食はできない。同日の営業開始は午後0時30分ごろからを予定する。
 問い合わせは道の駅「高田松原」(℡22・8411)まで。