2019住田町議会選/人口減の町、今回も無風か 出馬表明12人にとどまる

▲ 町内各地に設置されたポスター掲示板

 任期満了に伴う住田町議選(定数12)は、17日(火)に告示を迎える。立候補を表明しているのは現職11、新人1の計12人で、4年前の前回選に続く無投票の公算が大きくなっている。町制施行後初の〝無風〟に終わった後も人口減少は止まらず、町内の有権者は5000人を割り込んだ。一方、町内人口に占める選挙権を持たない外国人登録者数の割合は増加が続く。地域情勢が変わり続ける中、静かなまま推移した前哨戦は最終盤を迎えた。

 

告示2日前、静かに前哨戦最終盤へ


 今回の町議選は、昭和30年の町制施行から数えて通算17回目。現職のうち、無所属の泉田是重氏(74)=世田米・4期=が勇退し、残る11人は再選を目指している。定数割れもささやかれた時期があったが、告示1カ月前に新人1人が立候補の意思を示した。
 候補予定者とは別に、先月20日に開かれた立候補予定者説明会には男性1人が出席したが、今月10日の事前審査には姿を見せず、不出馬を明言。このほかに、立候補に必要な書類を受け取りに来た住民はなく、連続無投票の可能性が現実味を帯びてきた。
 各陣営では新たな表明者が出るかどうかに気をもみながらも、選挙戦本番への準備を整えつつある。町選挙管理委員会は、57カ所にポスター掲示板を設置した。
 初の無投票に終わった平成27年は有権者数(20歳以上)が5000人を超えていたが、現在(18歳以上)は4800人前後で推移。年間100~150人のペースで人口が減り、転入者や10~40代の女性が少ない。
 27年の高齢化率は40・33%で、初めて40%台に突入。その後も上昇が続き、今年には43・97%に達した。高齢化率が伸びている半面、65歳以上の人口は減少局面に入っている。
 一方、町内では選挙権を持たない外国人登録者が増加傾向。平成20年12月末には31人だったが、24年12月末には約2倍の60人となり、今年8月末時点では104人となった。
 外国人の多くが、町内の加工場などに通う技能実習生。全人口に占める割合は2%だが、20代女性だけに限ると2割を超える。寮生活を送り、特定の行政区で人口割合が高くなっている。
 一昨年に初当選した神田謙一町長は「支え合う共生の町」を掲げてきた。多様な生活を送る住民それぞれの実情に合ったまちづくりを展開するだけでなく、あらゆる世代の住民が手を取り合いながら地域振興を進める理想像を追い求める。今回の町議選候補者は、1期目の折り返しを過ぎた神田町政とどう向き合うかも問われる。
 さらに、全産業共通の課題である担い手確保や地域活性化策、木工2事業体に対する債権問題、住民福祉の充実などに向け、どのような訴えを響かせるかも注目される。
 今回も舌戦は1日限りで終わるのか、それとも8年ぶりの選挙戦となるのか。告示当日まで、予断を許さない状況が続く。
 立候補の届け出は、告示の17日午前8時30分~午後5時に役場町民ホールで受け付ける。
 選挙戦となった場合、投票は22日(日)の午前7時~午後6時に行われ、即日開票される。
 地区別の立候補予定者(五十音順)は次の通り(数字は年齢、丸数字は当選回数)。町内投票所別有権者数は別掲。
 【世田米】
阿 部 祐 一66無現④
荻 原   勝60無現①
菅 野 浩 正72無現②
佐々木 信 一58無現②
佐々木 初 雄75無現①
瀧 本 正 德71無現②
 【下有住】
佐々木 春 一66共現③
高 橋   靖63無現⑤
 【上有住】
菊 池   孝72無現④
林 﨑 幸 正68無現④
水 野 正 勝33無新
村 上   薫67無現④