ソバ収穫「今年は豊作」 いきいき活動協 住田(別写真あり)

▲ 汎用コンバインを使ってソバを収穫

下有住の遊休農地活用

 住田町の下有住いきいき活動協議会(金野純一会長)によるソバ収穫は9月30日、下有住地区内で行われた。遊休農地を生かし、夏場に種をまいたソバは台風などの影響を受けずに成長し、実りの秋を迎えた。機械化による省力化も図って収穫した実は、地区内の交流行事などで生かされる。
 同協議会は、町が本年度新たに進める「小さな拠点づくり」に向けた地域協働組織で、一昨年6月に発足。遊休農地増加による悪影響が懸念される中、地域住民らが協働で農作物を栽培し、地区内の住民交流などにつなげようと毎年行っている。
 本年度は、かつて遊休農地だった6カ所計1・5㌶を活用。種まきは7月下旬に行われ、小学生や老人クラブ会員らが参加した。
 今年は種をまいたあと、鳥獣被害を防ぐために「覆土」を施すなど、収量増に向けたひと手間を施した。夏場に好天が続き、台風被害もほとんどなかったことから順調に生育し、どの畑も昨年以上に実をつけたソバが〝密集〟する光景が広がった。
 種まきは比較的容易だが、収穫を手作業で行うと刈り取りなどには人手が必要になる。今年も収穫には、遠野市農業委員の綱木秀治さん(64)が所有する汎用コンバインを借りて行った。
 協議会関係者が畑内でほとんど手を動かさずに、収穫作業は1日で終了。コンバインを操作した綱木さんは「3年間の生産の中で、今年がいちばんいいね」と話していた。
 収量は約500㌔が見込まれ、同協議会では12月ごろから各地で「そば打ち会」を開催する計画。地区内外の人々が交流を深めるきっかけとして活用される予定となっている。
 管理を担ってきた同協議会事務局の平林慧遠さん(34)=地域おこし協力隊員=は「打ち方を指導できる人が地元にいるので、収穫した後も交流できるのがソバ生産の良さ。住民間の親睦や、交流人口拡大につなげたい」と、期待を込める。