むき身200箱超を出荷 きょう豊洲市場でカキ初入札 大船渡市漁協

▲ 出荷前日には、漁業者らが高値に期待を込めてむき身作業を行った=大船渡町

 大船渡市漁協(岩脇洋一組合長)の鮮カキ初出荷式は9月30日、大船渡町の同漁協製氷工場前で行われた。市内の養殖漁家らが29日に収穫し、むき身にしたカキ200箱超が、東京都中央卸売市場豊洲市場で1日に行われる初入札に向けて出発。生産者、関係者らが高値に期待を込めながら初物カキの出荷を見送った。

 

漁業者、関係者らが出荷を祝ってテープカット

高値に期待を込めて

 

 初出荷されたのは、むき身10㌔入り198箱、5㌔入り23箱。市内各地で29日、養殖漁家が家族総出でむき身作業に汗を流した。
 出荷式には漁協や市、県、市内六つのカキ養殖組合関係者など合わせて約40人が出席。
 はじめに、市漁協の亘理榮好副組合長が「大船渡産カキの安定生産に取り組み、高品質で安全なカキと水産のまち大船渡を全国に広めていく」とあいさつ。
 戸田公明大船渡市長は初出荷を祝いながら「基幹産業である養殖業をはじめ、水産業全体の振興を図っていく」と、県沿岸広域振興局の杣亨副局長が「東京都中央卸売市場も、高品質なカキの入荷を心待ちにしていると思う。きょうの出荷は、岩手のカキをアピールするうえで極めて大きな意義がある」と述べた。
 このあと、関係者によるテープカットが行われ、トラックに積み込まれたカキが出発。出席者は安全運送と高値での取引に願いを込めた。
 昨年の築地市場での初入札では、大船渡市漁協の大船渡産カキに10㌔当たり3万7000円という気仙の最高値がついており、きょうの初入札結果に注目が集まる。
 漁協関係者によると、今季はまだ水温が高く、身が小ぶりなものもあるが、品質は良好。11月はじめごろには出荷のピークを迎えるという。
 同漁協管内の平成30年度の取り扱い実績は、むき身が180㌧、3億2678万円。殻付きは341万7365個で、2億9252万円だった。
 本年度はむき身163㌧、3億1500万円、殻付き337万5000個、2億9830万円を目標としている。