取り組み成果本格発信へ 食分野や木工活動など 世田米中の地域創造学 住田(別写真あり)

▲ 町内産果実でつくったジャムの発信に意欲を見せる生徒たち

 住田町立世田米中学校(及川賢一校長、生徒62人)で3日、独自教科である地域創造学の授業が行われ、3年19人は住田の魅力を発信するための実習を展開した。地元食材を生かしたメニューのインターネット発信やレシピづくり、積み木制作などそれぞれ1学期から練り上げたプロジェクトが成果や形として出始めており、生徒たちもさらなる充実に向けて意欲を見せている。
 新設教科は、文部科学省による研究開発学校事業の一環。平成29年度に世田米小、有住小、世田米中、有住中、県立住田高校の計5校が指定を受けた。教育実践の中で浮かび上がる諸課題、時代に対応した新しいカリキュラムや指導方法の開発を目指し、学習指導要領等の国の基準によらない教育課程を編成・実施できる。
 町内各学校の時間割には「地域創造学」が組まれ、地域資源を生かした社会的実践力などにつながる授業が行われている。世田米中生はこれまで「住田の魅力を発信するために、住田の○○を生かしたプロジェクトを考えよう」をテーマに取り組んできた。
 この日の授業では、各グループがまとめた計画をもとに、調理実習や制作活動を展開。3年生の紺野麿央さん、村上凜さん、佐々木結衣さんによるグループは、町内産のウメやクワの実でジャムをつくり、そのおいしさを広めるための写真撮影などを行った。
 さわやかな酸味が特徴のウメはパンに、豊かな甘みが広がるクワはアイスクリームに添え、好印象を抱かせるように撮影時には敷物の色などにもこだわった。
 今後は、インターネット上での発信を計画。紺野さんは「鍋で長時間煮込んだりしてジャムを作るのが大変だったけど、ジャムをきっかけに住田を知ってもらえれば」と話していた。
 このほか、地元食材メニューのレシピをまとめるグループは、実際にレシピ通りに調理を行い、おいしさを確認。給食メニューを提案するグループも、実際にスープなどを作った。
 また、木工室では、町内の祭りイベントの写真を生かしたパズル作りに励むグループも。積み木制作に励んだ男子生徒たちは、丁寧に木材にやすりをかけ、保育園児らの活用に期待を込めた。