サンマを多彩にアレンジ 秋の味覚、存分に堪能 大船渡

▲ 旬の地元食材を用いたプレミアム料理を提供

 

さまざまなサンマ料理が並んだ前菜

 大船渡市のさかなグルメのまち大船渡実行委員会(及川廣章委員長)による「大船渡のプレミアム料理フルコース〜海・山からの贈り物を使って〜」晩さん会は8日夜、大船渡町の三陸おさかなファクトリーで開かれた。参加者らは、大船渡で水揚げされたサンマなど旬の地元食材を用いたフルコースを会食。3人のシェフによる多彩なサンマの調理法にも関心を寄せながら、秋の味覚が詰まったプレミアム料理を存分に堪能した。

 

さかなグルメ実行委

プレミアム料理晩さん会

 

 同実行委は、市民も観光客も楽しめる「さかなグルメのまち大船渡」を目指す活動を展開。平成28年度からは、大船渡が本州一の水揚げを誇るサンマをテーマにしたまちおこしを進めている。
 プレミアム料理事業は、地元食材の可能性や新たな魅力を引き出そうと29年度から実施しており、本年度で3回目。招へいした料理人のネットワークを活用し、地元食材の販路拡大を図る狙いもある。
 この日は市民をはじめ、実行委の活動に協力するイデアパートナーズ㈱の井手修身代表取締役(福岡県)と、食材視察で大船渡を訪れた㈱サンワードアンドカンパニーの北崎聖庸取締役(東京都)、㈱富源来の髙島正秋代表取締役(同)、料理写真家の水上均さん(同)ら約40人が参加。
 厨房には、初回からこの企画で腕を振るうジビエ専門レストラン「情熱の千鳥足・カルネ」の小野貴史料理長(福岡県、イタリアン)、食材視察で来市した「食堂セゾンドール」の前山仁シェフ(同、フレンチ)、「namida(ナミダ)」の田嶋善文シェフ(東京都、和食)が立った。
 ディナーを前に、及川代表は「おいしい料理がたくさん出てくるのでご堪能を」とあいさつ。戸田公明市長のあいさつに続き、前菜、パスタ、魚料理、スープ、肉料理、リゾット、デザートの順に料理が提供された。
 前菜は、田嶋シェフが2品、小野シェフが3品を調理。このうち、サンマ料理は4品で、田嶋シェフはにぎりずしやクリーミーな西京みそを添えたあぶりに、小野シェフは薫製、カルパッチョにアレンジした。
 魚料理の「エゾ鮑(あわび)と帆立のフリカッセ ゴルゴンゾーラ風味」は、低温調理の第一人者である前山シェフが担当。地元産アワビを生きたまま60度で30分蒸すなどして柔らかな食感に仕上げ、ホタテとともに三陸の味覚を楽しめる一皿とした。
 サンマはスープ、リゾット、さらにはデザートにも登場。デザートではサンマの粉末をまぶした「サンマクッキー」を作り、気仙椿油をふんだんに使った「椿油のジェラート」に添えた。
 参加者らは、プレミアム料理を和やかなひとときとともに堪能。陸前高田市高田町の斎藤由紀さん(49)は「どれもおいしかったし、魅了させる盛り付けだった。サンマはさまざまなアレンジがされていたので、料理教室もやってほしい。品数を減らし、普段のランチなどで食べられたらと思う」と話し、笑顔を見せた。
 前山シェフは「大船渡に来てますます刺激を受けた。これからも頑張りたい」と、田嶋シェフは「熊本県天草の出身だが、大船渡は魚種が違い刺激を受けた。いい機会に恵まれた」と充実した表情。小野シェフは「サンマの調理法がもっとあることを打ち出し、その可能性を市民の方々にも知ってもらえれば」と話していた。