スクールバス運行提案 赤崎・綾里両中統合で 大船渡

▲ 統合に伴う遠距離通学支援の保護者説明会を開催(赤崎中)

保護者らに説明

 

 令和3年度に大船渡市の赤崎、綾里両中学校が統合するのに伴い、市教育委員会は8、10の両日夜、「中学校統合後の遠距離通学支援に係る保護者説明会」を開いた。市教委は統合後の通学支援として、綾里全地区と赤崎地区の通学距離が6㌔を超える3地域にスクールバス2台を運行する方針を提案。保護者らからは通学時の安全確保策などの質問、提言が寄せられた。
 説明会は、赤崎、綾里の各学区内で遠距離通学対象となる世帯の保護者らを対象とし、8日に綾里中学校、10日に赤崎中学校で実施。綾里は14人、赤崎は4人の保護者、各地区内小中の学校長らが出席し、市教委からは小松伸也教育長や金野高之学校統合推進室長らが臨んだ。
 このうち、赤崎では小松教育長のあいさつに続き、市教委側が中学校統合後の遠距離通学支援について説明した。
 赤崎、綾里の両中学校が統合した後は、現在の赤崎中校舎を利用。遠距離通学支援の対象は、綾里地区の全域と、赤崎地区の長崎、外口、合足の3地域となる。
 市は統合後の通学支援として、両地区ともスクールバスの運行で統一することを提案。素案では、綾里の砂子浜から小石浜、白浜、田浜、石浜、小路、赤崎の合足を経由して中学校とを結ぶ「砂子浜線」と、綾里の野々前から綾里駅、綾里小、港、赤崎の外口、長崎を経由して中学校とを結ぶ「野々前線」の2ルートを設け、平日は原則、登校1便、下校2便(部活の有無で対応)とする。
 週休日、夏休みなどの長期休業でも、部活動に合わせて往復1便を運行。一般乗車は、生徒の安全確保や住民にとっては利便性が低いなどの理由から、原則行わない。運行ルートは、生徒の過度な負担とならないように配慮していくとしている。
 出席した保護者からは、「統合前の部活動交流で、平日にも定期的にバスを出してほしい」「統合までの安全対策も図ってもらいたい」といった意見が出された。
 市教委によると、綾里地区の出席者からは、乗車時に津波注意報や警報が発表された場合の対応、バスの停留場所、安全面の確保などに関する質問、提言が寄せられたという。
 今後は遠距離通学支援の対象世帯にアンケートを行い、調査で示された要望への対応を赤崎・綾里地区学校統合推進協議会で協議。ルート等の修正作業を経て、来年9月までに運行ルート等を決定するとしている。