佐々木投手(大船渡)の交渉権どこに きょう注目のドラフト会議
令和元年10月17日付 7面

一般社団法人日本野球機構(NPB)主催のプロ野球ドラフト会議(新人選手選択会議)は、17日午後5時から東京都内のホテルで開かれる。今ドラフト最大の目玉で、高校生史上最速の163㌔をマークした大船渡高校3年の佐々木朗希投手(17)は、複数の球団に1位指名されるとみられており、交渉権の行方が注目される。
複数球団が1位指名か
ドラフト会議は、新人選手との契約交渉権をプロ球団に振り分けるもの。プロ志望届を提出した高校生や大学生らが対象となる。
今年の志望届の受け付けは、今月3日に締め切られた。日本高野連によると、高校生は合わせて139人が志望届を提出。佐々木投手も今月1日に提出し、翌日には大船渡市内で開かれた記者会見でプロ志望を表明した。
陸前高田市出身の佐々木投手は、東日本大震災で被災し大船渡市に住まいを移し、大船渡一中に進学。3年時は、気仙地区のKWB野球選抜チーム「オール気仙」の選手に選ばれ、軟式球と硬式球の中間にあたるKWBボールで140㌔以上の球速を記録するなど頭角を現した。
大船渡高入学後は、1年夏の県大会で球速147㌔を、2年時には150㌔台をマーク。早い時期からドラフト上位候補に名前を連ねた。今年4月には、「WBSC U─18ベースボールワールドカップ」日本代表の研修合宿で高校生最速の同163㌔を記録。「高校生史上最高の素材」「令和の怪物」などと称され、一気に注目度が高まった。
今夏県大会では4試合に登板し、圧巻の投球で大船渡の準優勝に貢献。8月には韓国で開かれた同ワールドカップに出場し、世界デビューを果たした。
プロ志望を表明した翌3日からは、佐々木投手が各球団のスカウトと面談。大船渡高によると、面談は15日現在、早くから1位指名方針を明言していた北海道日本ハム以外の11球団と行われた。日本ハムのほか、千葉ロッテも1位指名を決めており、複数球団が競合する可能性が高いとみられている。
佐々木投手は2日の記者会見で「12球団どこでも頑張りたい」と意思表示しており、どの球団が交渉権を獲得するのかに大きな注目が集まっている。