ツバキの種回収に協力を 末崎町の三面椿舎が商品の開発、製造に利用 大船渡

▲ 良質な椿油の原料となるツバキの種や実を回収中

 大船渡市末崎町字中森の搾油所・三面椿舎(山田康生代表)は、収穫期を迎えたツバキの種を回収している。種は三面椿舎が買い取り、椿油に加工してツバキ関連商品の開発、製造に活用。新鮮な種の回収には実のもぎ取りが最適だが、今年は実のつきが例年より早いことから、三面椿舎では早めの収穫を呼びかけている。
 三面椿舎は、大船渡市のサポートも受けながら、市花でもあるツバキを地域資源として生かし、椿油の製造や商品開発などを展開。末崎町の搾油所では、地元で集められたツバキの種から非加熱方式(コールドプレス)で椿油を製造し、加工商品も開発している。
 ツバキは例年、秋に種を抱えた実をつける。新鮮な種からは良質な椿油がとれることから、三面椿舎では種が地面に落ちる前の実のもぎ取りを推奨。特に今年は例年に比べて収穫期が早まっていることから、早めのもぎ取りを呼びかける。
 収穫に適した実は、表面が割れはじめ、中の種がのぞいている状態のもの。この時期の実は、へたの部分から簡単にもぎ取ることができるという。
 青く成熟していないものや、種が入っていない明るい茶色の実は収穫しないこと。地面に落ちた実は湿ってカビが生えていたり、虫食いや古いものが交じっていることから、注意をすること。
 搾油に最適な種は、濃い茶色で表面に少しつやがあるもの。一方、真っ黒でつやがないものはカビが生えている可能性が高く、1㍉程度の穴が開いているものは虫食い、薄茶色のものは中が空洞になっている場合が多いという。収穫した種は、野菜ネットなど風通しのよい袋に入れて保管すること。
 収穫した種の回収は、三面椿舎(木曜日と日曜日の午前10時~午後3時)と末崎町の居場所ハウス(木曜日を除く毎日の午前10時~正午)で受け付け。買い取り希望の場合はその場で支払いに応じる。
 買取額は、乾燥を終えたもので1㌔当たり500円。受け付け時に種を乾燥させたか否かを確認し、計量を行う。乾燥をさせていない場合は、全体の重さから乾燥減量分の20%を差し引いた買取額を提示する。汚れやカビ、虫食い、ごみの混入が見受けられる場合も、多少減量したうえで買取額を計算する。
 このほか、市内のマイヤ3店舗(インター店、大船渡店、赤崎店)には、回収ボックスを設置。こちらを利用する際は、集めた種と一緒に住所、氏名、連絡先、集めた場所、収穫日、買い取り希望か寄付かを記入した用紙を同封すること。ボックスからの回収は週に2回行い、種の投かんから1カ月以内に連絡のうえ、買取額を支払う。
 買い取りは今月26(土)、27(日)の両日、盛町の市民体育館で開かれる市産業まつりの三面椿舎ブースでも受け付け。実や種を集める際は、必ず地権者の許可を得るよう呼びかけている。
 山田代表は「潜在的な収穫量が、ツバキ産業を推進する他地域に比べてもまったく劣っておらず、少しずつだがツバキの関連商品が市内で生まれている。それを市民の皆さんに再確認していただき、実集めからものづくりへの参画を図っていきたい」と話している。
 問い合わせは、三面椿舎(℡47・3528)または居場所ハウス(℡47・4049)へ。