古民家を共生空間に 社協OGらが運営 デイサービスセ「かじや」 住田(別写真あり)

▲ 古民家の座敷部分を生かした「多目的ルーム」。利用者やスタッフが笑顔を交わす

 住田町の合同会社・朋(佐藤浩美代表)が世田米天風にデイサービスセンター「かじや」を開所してから1カ月半余りが経過し、利用者や地域住民から好評の声が寄せられている。古民家を改修した施設は、あえて部屋の段差を残すなどバリアフリーにはせずに、利用者の生活リハビリを後押し。今後は施設周辺の農地も生かし、さまざまな住民が集う共生空間を目指すことにしている。
 今年4月に設立した朋は現在、町社会福祉協議会や町のOG、介護ヘルパー研修受講者ら職員7人体制で運営。
 佐藤代表(59)は社協で20年以上にわたりヘルパーやケアマネジャーとして従事し、平成27〜30年度には事務局長を務めた。
 この古民家は26年まで佐藤代表の親族が暮らしていたが、死去に伴い空き家に。国道340号沿いに構え、世田米にとどまらず、上有住や下有住からのアクセスも恵まれていることから、利用者一人一人のニーズに応じた福祉サービスの展開を見据え、準備を進めてきた。
 今年5月に改修が始まり、9月から運営が本格化。今月23日も103歳の女性を含む在宅者7人が利用し、散歩や昼食、体操、談笑などを楽しみながら過ごした。佐藤代表も「地域の方々に支えられながら、順調に来ている」と、手応えを語る。
 利用者が住み慣れた自宅で長く暮らせるよう、生活リハビリに力を入れる。もともとは古民家であり、玄関から居間部分に上がるには足を上げなければならず、部屋を移動する際もふすまの段差に注意が必要。しかし、改修ではバリアフリーにはしなかった。
 佐藤代表は「生活リハビリでは、職員と一緒に『気をつける』ことも大事。不便さを感じることが、脳の活性化にもつながる」と狙いを語る。職員も利用者も地元住民であり、世間話や地域の昔話で盛り上がるなど、地域密着型の強みも生かしている。
 建物の周囲には農地も広がり、今後は収穫祭など地域住民らとふれ合うイベントも計画する考え。
 佐藤代表は「作物をつくって販売したりなど、今ある環境を生かしながら、高齢者だけでなくさまざまな住民が集う共生社会を目指したい」としている。