ピーカンナッツの多彩な食べ方を提案 レシピコンテストに200点 陸前高田
令和元年11月5日付 7面


ジュニアの部優勝「クロッカンショコラ」

一般の部優勝「ピーカンナッツde濃くなイカメンチ」
陸前高田市が農業再生・地方創生を目指して産業化を推進する「ピーカンナッツ」を使ったレシピコンテストがこのほど、同市で初めて開催された。単品またはチョコレートなどと合わせて菓子として食べられることが多いピーカンナッツの多彩なレシピが提案され、部門別の優勝者が決まった。
3部門の優勝者決まる
ピーカンナッツは日本国内ではアーモンドの100分の1程度の消費量しかない希少な木の実。抗酸化作用が高く、アンチエイジングや認知症予防などの効果が明らかになりつつある。世界的にも市場での需要が高まっているが、日本では栽培されておらず、国内では年間300㌧ほどが輸入されているだけという。
市は平成29年、東京大学と、ピーカンナッツを使ったチョコレート製造・販売業を営む㈱サロンドロワイヤル(大阪市、前内眞智子社長)の3者による「共同研究契約および連携協力協定」を結び、苗木の栽培などを視野に食文化の構築などを進めている。
今回初めて開催された「全国ピーカンナッツレシピコンテスト」は、広くレシピを集めることにより、ピーカンナッツを身近な存在として知ってもらおうと、サロンドロワイヤルと、同市に設立されたゴールデンピーカン㈱が主催した。
レシピは「プロ」「ジュニア(児童・生徒・学生)」「一般」の計3部門で募り、合わせて200点余りが寄せられた。名前や経歴、所属等を隠した「ブラインド方式」で書類選考を実施。各部門2人ずつのファイナリストが出場し、このほど高田町の市保健福祉総合センターで調理を実演した。
決勝審査では、京都ホテルオークラ総料理長の善養寺明さん、料理研究家の浜内千波さん、仙台秋保温泉「きよ水」総料理長の片野一成さん、キャピタルホテル1000料理長の紺野達郎さんを特別審査員に迎え、地元在住者らが審査員を務めた。特別審査員はファイナリストの調理の手際や盛り付け方などもチェック。審査員は出来上がったメニューを実際に食べて選考を行った。
その結果、プロ部門は本澤聡さん(東京都、「アニバーサリー」所属)、ジュニア部門は沼田夏美さん(愛媛県、河原学園)、一般部門は角田幸子さん(宮城県)が優勝の栄冠をつかみ取った。
本澤さんの作品「R
oi des noix de pecan〜ピーカンナッツの王様〜」は、外見もピーカンナッツそのものをイメージしたデザート。素材をパウダー状、ペースト状と使い分け、ピーカンナッツのおいしさを余すところなく表現した。
沼田さんによる「ピーカンナッツのクロッカンショコラ」は、サクサクした食感で子どもから大人まで誰からも愛される作品。角田さんの「ピーカンナッツde濃くなイカメンチ」は、ナッツを砕いて衣にした、陸前高田産のイカを使ったメンチカツで、大葉を散らし、ピーカンナッツ農場の新緑と収穫期を表した。
準優勝作品も、ピーカンナッツとリンゴを合わせたパン、炊き込みご飯、クリームパスタと、それぞれピーカンナッツの個性を日常の食卓にうまく調和させたレシピとなった。
前内社長は「健康的な食生活の仲間として、毎日の食卓にピーカンナッツが乗る、そんな新しい生活習慣をつくりたい」と語り、コンテストを契機としてピーカンナッツが広く市内外に認知されることに期待を寄せた。
優勝、準優勝作品はゴールデンピーカンのホームページ(https://pecan.jp/)にも紹介されている。