台風19号リンゴ被害補償へ 県農業共済組合が今月中にとりまとめ 陸前高田で損害評価進める

 10月の台風19号により落果などの被害を受けた陸前高田市のリンゴ。岩手県農業共済組合は現在、共済加入者のリンゴ被害に関する損害評価を進めている。同組合は今月中にも損害評価をとりまとめ、審査機関である「損害評価会」に報告したうえ、できるだけ早く被害に遭った農家への補償を行いたいとしている。


 農業共済は、農家が掛け金を出し合って共同準備財産をつくり、災害が発生したときに共済金の支払いを受けて農業経営を守る、相互扶助を基本とする制度。自然条件に依存する農業災害の予期は難しく、被害が広範囲にわたって発生する場合があることから、国の災害対策の一環として行われている。
 発足以来、改善・拡充が行われており、水稲、麦、大豆といった作物を中心に制度の充実が図られているほか、農業共済団体は、損害補償の事前手段として各種の損害防止支援活動を活発に行い、被害の未然防止に努めている。
 陸前高田市では、台風が発生しやすい時期に収穫期を迎えるリンゴの生産が盛ん。岩手県農業共済組合ではリンゴ農家向けに、「暴風雨(最大瞬間風速20㍍/秒以上など)」「ひょう害」「凍霜害」と災害に応じた補償が選択できる「特定危険方式」といった種類の果樹共済を用意している。
 暴風雨では落果や枝ずれによる果実へのキズなどに、ひょう害では果実への損傷に、凍霜害では花そうの枯死による減収に対応。「つがる」や「さんさ」などの早生を1類、「ジョナゴールド」や「シナノスイート」などの中生を2類、「ふじ」「王林」などの晩生を3類と、収穫時期によって分類し、農家ごと、類ごとに2割を超える被害が支払い対象となる。樹園地単位での特定危険方式では、園地ごと、類ごとに3割を超える被害を対象とする。
 台風19号では、主に2類の収穫期を迎えていたことから、台風直後から2類の「損害評価」(被害状況の調査)を実施。収穫期前に調査していた実のなり具合などを参考に、落ちた実の量などを見て損害評価を行っている。
 この評価は「損害評価会」でさらに審査されたのち、最終的に国が評価を承認。年明けから来春ごろまでに損害額が認定され、最終的な共済金支払いの段取りとなる。
 米崎町のリンゴ農家・大和田良平さん(92)は、「この場所はいろんな方向から吹く風の通り道になっている」といい、強い雨風のたびにリンゴの倒木といった被害に遭うとこぼす。特定危険方式のうち、暴風雨の共済に加入する大和田さんは「掛け金も安いし、いくらかでも減収の対策にはなるので、入っておくに越したことはない。最近は台風の来ない年がないから」とその必要性について語る。
 晩生である3類の収穫期を迎えるにあたり、同組合東南部地域センター気仙支所の藤田武彦支所長は、「今月もまだしばらくは、暴風雨が発生しないとは限らない。万が一被害が出た場合は、しっかりと評価などの業務を行っていく」とし、農家の救済のために共済の加入促進にも努めていきたいとしている。